「世界初」には色々な定義があると思いますが、一般的には、1986年発表のオーデマピゲ REF.25643BAが、世界で初めて、製品化に成功した自動巻の腕時計トゥールビヨンと言えるのではないでしょうか。「25643BA」で画像検索すると、色々出てきます。
このモデルは以前は時々見かけましたが、最近は見かけなくなりました。僕が最後に見たのもずいぶん昔です。
このモデルは色々なバージョンがあります。一般的なのは18金YGケース、金文字盤、革ベルト、のタイプです。ケース幅は約28,5mm、ケース厚さは約4,8mmです。
超薄型の自動巻トゥールビヨンで、現在でもこの薄さは世界最薄かもしれません。この時計は裏蓋がそのままムーブメントの地板になっています。
6時位置の小窓から自動巻のローターの動きを楽しむことが出来ますが、このローターは少ししか動かないので巻き上げ効率が悪いです。ハーフローターよりは確実に動かないので、クォーターローターくらいでしょうか。そんな用語があるのかどうかわかりませんが。
11時位置の窓から、トゥールビヨン脱進機の動きを楽しむことが出来ますが、巻き上げ効率が悪く、手巻き機構も付いていませんので、なかなか動き出さないことがあります。個体差もあるかもしれません。
ゼンマイの巻き上げは、あまりカタカタ振ると、繊細な機構にダメージを与えてしまうかもしれないので、時計が動き出すまで、丁寧にゆっくり、ローターを動かし続けるしかありません。いつまでたっても動き出さない場合は、脱進機が動き出すように軽く衝撃を与えてやる必要がありますが、これも気を使う作業です。
よく見ると、扱いにくさも含めて、地味な味わいのある時計でしょうか。