ソニーオーディオシステム、HDDプレーヤー【HAP-Z1ES 】、プリメインアンプ【TA-A1ES】、ブックシェルフスピーカー【SS-NA5ESpe】を買ってから約1年経過しました。
概ね、気に入っています。但し他社製品との聴き比べ等は特には行なっていないので他にもっといいものがあるのかどうかは分かりませんが、今のところ装置を買い替えたいと思うことはありません。
高品質なオーディオ装置を気軽に操作できるというのは、本当に快適です。プレーヤーとアンプは「IR REMOTE」端子で接続していますのでリモコン一つで操作できます。またHDDプレーヤーの便利さを知ると、CDプレーヤーには戻れないといったところでしょうか。
オーディオ装置にはエージングが必要と言われることがありますが、約1年経過して音がこなれてきたというか、細かな音がよく出るようになってきたような気がします。
耳障りな音ではなく、細かな音もよく表現されるというのは、僕が重視している部分です。
これらの装置で特に印象的なのは低域の表現力です。バスドラムの細かな音の違いがよく表現されていると思います。
低域の表現力は買った時から印象的でしたが、中高域の表現力もよくなってきたと思います。【SS-NA5ESpe】はアルミ振動板ウーファーとソフトドーム型トゥイーターの2ウェイなのですが、特に中域は紙のコーン紙のほうがよいのかなあと思ったりすることもありましたが、今の音の出方であれば特に不満はありません。十分に厚みのある耳に心地よい音が出ていると思います。
また、これらの装置では、間近で聴いても、耳障りな音がしません。間近で聴くとヘッドホンで聴く音と通じるものがあると思いました。ニアフィールドスピーカー的な使い方もできると思います。
HDDプレーヤー【HAP-Z1ES】はたいへん使いやすい製品です。音質面については特に不満はありません。自然で耳障りではない音質はこのプレーヤーによるところも大きいのかもしれません。デジタル音源はソニーのお家芸だと思いますし、素人考えかもしれませんが、デジタル音源の技術について他のメーカーにできることは限られているような気がします。
アンプ【TA-A1ES】やスピーカー【SS-NA5ESpe】はピュアオーディオというか正攻法で攻めた製品だと思いますが、このような装置は味気のない音になりやすいというか、実際そう感じることもありましたが、正攻法の工夫とエージングで満足のゆく音になってきたと思います。
トーンコントロールが欲しいと思ったこともありますが【TA-A1ES】にはトーンコントロールがないので、トーンコントロールなしで、厚みのある音が出るように、それなりに工夫しました。今ではトーンコントロールがなくてもいいかなと思えるようになってきました。
【SS-NA5ESpe】のエンクロージャーのしっかりした作りと美しい塗装は、かなりのものだと思います。価格を超えた美しさがあると思います。オーディオショップで色々なメーカーのスピーカーのエンクロージャーをこぶしで軽くコツコツ叩いてみた感じでは箱の響きを比較的積極的に活かしたものが多いと思います。SS-NA5ESpeについては箱の響きはかなり抑え込まれていると思います。このスピーカーは13cmウーファーの2ウェイですがバッフル板は約28ミリもの厚さのものが使われており更に部分的に金属板で補強されています。バッフル板以外の部分は17ミリほどの板厚ですが小型ブックシェルフとしては十分な厚さだと思います。
エンクロージャーの箱鳴りは理想的にはないほうがいいのかもしれませんが、完全に抑え込むことはできないので、箱鳴りを積極的に音作りに活かすか、または、なるべく箱鳴りを抑え込んで抑えきれない箱鳴りは美しい響きにチューニングするか、どの辺に持っていくかでスピーカーの音の傾向が決まってくると思います。これは、どちらがいいとは言い切れないと思います。世の中には理屈抜きで心地よい音をだすスピーカーもあると思います。
【SS-NA5ESpe】の音が面白みのない音と感じることがあるとすれば箱鳴りを抑え込む設計思想による部分があるかもしれません。カタログを見ると塗装によって音の響きを調節しているようですが、これは抑えきれない箱鳴りを好ましい響きに調整しているということだと思います。このようなタイプのスピーカーは、うまく使いこなすことが出来れば、クセの少ない音を楽しめるのではないでしょうか。
【HAP-Z1ES】と【TA-A1ES】の内部の見た目の作りの印象については蓋を開けて中を見たことがありますが、それなりに頑張っているかもしれないけれども、以前所有していたフィリップスLHH300 CDプレーヤーほどのコストはかけられていない感じでした。あくまで見た目の印象なので内容的なことは分かりません。