1991年に購入した「人生を成功させる7つの秘訣(7つの習慣)」が少し衝撃的な本だったので、自分でも自己啓発の本を色々探してみました。「道は開ける(1984年12月 第四版 創元社) D・カーネギー 香山晶 訳」と「人を動かす(1991年12月 第二版 D・カーネギー 山口博 訳)」がなかなか良かったと思います。僕はこれらの本を1992年4月に購入しました。「7つの習慣」ほどのインパクトはないものの、じわじわと味わい深い感じでしょうか。初版は1958年頃ですので、永年にわたり多くの人々に支持されてきた名著といえると思います。
「人を動かす」で紹介されていた「父は忘れる」という短い文章がすごく印象的だったのを思い出しました。この文章はアメリカ・ジャーナリズムの古典の一つと言われているようです。最初「ピープル・ホーム・ジャーナル」誌の論説として発表されたものが、後に「リーダーズ・ダイジェスト」誌が要約して掲載したものだそうです。作者のリヴィングストン・ラーネッドという人は「父は忘れる」以外での大きな業績は特にはないようです。
おおまかな内容は次のようになります。
お父さんは、小さな息子に対して靴を磨かないからといって𠮟りつけ、持ち物を床の上にほうり投げたといっては怒鳴りつけ、穴だらけの靴下を見て、「お前が自分で金を儲けて買うんだったらもっと大切にするはずだ。」と言ったりしていました。それでも小さな息子はある日、新聞を読んでいたお父さんにキスをしました。お父さんは、どんなにないがしろにされても、決して枯れることのない愛情に心を打たれ、息子にやさしく接するようになっていく、という話です。
お父さんは、小さな息子に対して、大人と同列に考えていたことを反省していますが、小さな息子も、お父さんが口やかましく言っているのは自分のことを思っていてくれているからだ、ということを直感的に理解していたのではないでしょうか。
無償の愛で結ばれた父と息子の物語といったところでしょうか。