エネファームtypeS(アイシン製)を2022年2月26日に導入しました。それまで使っていた床暖給湯器が寿命を迎えていたため、同じものを買い替えるより面白そうなものを買ってみようと思い導入したものです。
今月も計算が、だいぶん遅くなってしまいましたが、2024年7月(7/1~7/31)のエネファームの電力自給率は59%(総使用量599.7kWh、発電量359.6kWh、購入量240.1kWh)でした。
うちはガス、電気、共に東京ガスです。光熱費は1枚の請求書になっているので管理はしやすいかもしれません。2024年8月分の請求書が届きました。ガスの使用期間が7月5日~8月6日 14,415円 92㎥、電気の使用期間が5月25日~6月24日 5,834円 156kWhとなっていました。
後述しますが、エネファームの光熱費削減効果を調べる場合、ガスと電気の使用期間がバラバラなので、ガスの使用期間に電気の使用期間を合わせています。結構、面倒くさい作業ですが、もう慣れました。
2024年6月7日~2024年7月4日(28日間)の光熱費削減効果は2,281円(概算)でした。1年前の同期間の削減効果は955円(概算)[補正値]でした。去年より改善していますが、誤差もあるので、長い期間を通して、どのような傾向がみられるのかについて、幅を持って判断する必要があると思います。
2023年9月から電気代の燃料調整費額が徴収されるのではなく、還元されているので、これまでは、電気代の削減効果が少ない傾向となっていました。「電気・ガス価格激変緩和対策事業」で、光熱費が安くなるのはいいことですが、電気代の値引きの方が、ガス代の値引きより、かなり大きいと思います。政府は、「電気・ガス価格激変緩和対策事業」を、今年2024年5月使用分までで終了させることを決定しましたので、2024年6月分から光熱費削減効果が多少改善するかもしれません。尚、6月分の電気代が反映されるのは8月分の請求書からになると思っていたのですが、8月分の請求書(電気の使用期間5/25~6/24)では、燃料調整額は、まだマイナスのようです。また、8月から、補助再開予定だそうですので、11月分の請求書から、また光熱費削減効果が小さくなると思います。
2024年3月7日~2024年7月4日(4ヶ月間)の光熱費削減効果は、9,922円(概算)です。
この先、ガス代が安く、電気代が高くなるような状況になればエネファームの光熱費削減効果が高まりますが、逆になった場合は、ますます光熱費削減効果が低いものとなってしまいます。
2024年6月7日~2024年7月4日(28日間)
ガス使用量 70㎥ 料金 11,467円
電気使用量402.3kWh 購入電力量147.2kWh 料金5,566円(概算) 電力自給率63%
電力会社に支払う料金の削減効果7,754円(概算)
エネファーム導入により増加したガス料金39.9㎥ 5,473円(概算)
光熱費削減効果2,281円(概算)
2024年5月9日~2024年6月6日(29日間)
ガス使用量 67㎥ 料金 10,769円
電気使用量337.2kWh 購入電力量123.5kWh 料金4,676円(概算) 電力自給率63%
電力会社に支払う料金の削減効果6,026円(概算)
エネファーム導入により増加したガス料金33.4㎥ 4,336円(概算)
光熱費削減効果1,690円(概算)
2024年4月5日~2024年5月8日(34日間)
ガス使用量 94㎥ 料金 13,931円
電気使用量463.2kWh 購入電力量176.6kWh 料金5,783円(概算) 電力自給率62%
電力会社に支払う料金の削減効果7,743円(概算)
エネファーム導入により増加したガス料金44.8㎥ 5,302円(概算)
光熱費削減効果2,441円(概算)
2024年3月7日~2024年4月4日(29日間)
ガス使用量 96㎥ 料金 12,574円
電気使用量580.3kWh 購入電力量255.7kWh 料金7,857円(概算) 電力自給率56%
電力会社に支払う料金の削減効果9,046円(概算)
エネファーム導入により増加したガス料金50.7㎥ 5,536円(概算)
光熱費削減効果3,510円(概算)
2022年3月8日~2024年3月6日(2年間)の光熱費削減効果は77,859円(概算)でした。詳細は下記の記事をご参照ください。
【エネファームの光熱費削減効果を高めるアイデアについて】
- エネファームを導入すると、電気代が、かなり安くなりますので、少ない電力使用量に適した料金プランがある場合は変更した方が良いかもしれません。うちの場合は、同じ電力使用量で、年間1000円前後、電気代が削減できる見込みの料金プランに変更しました。東京ガスの電気は8月分請求書で5/25~6/24の使用期間となっており、かなり遅れて請求されるので、実際の効果についてはまだ分かりません。
- エネファームを導入した場合、アンペア契約についても検討してみると良いかもしれません。但し、アンペア契約は頻繁に変更はできないと思いますので、慎重に検討したほうが良いと思います。アイシンに問い合わせてみたところエネファームtypeSの電流値は7Aだそうです。また、エネファームが主幹ブレーカーの上流側に接続されている場合、例えば50A契約の場合、使用できる電気は50Aのままです。エネファームが分電盤の最下流側に接続されている場合、50A契約の場合、57Aまでの電気が使えることになります。うちの場合は、50A契約で57Aまでの電気が使える状態でした。10年以上前だったと思いますが、40A契約で時々ブレーカーが落ちるので50Aにしたのですが、エネファーム導入で57Aはオーバースペックと思われますので、現在は40A契約に変更して、47Aまでの電気が使える状態です。エネファーム停止の日だけ注意すれば、おそらくブレーカーが落ちることはないと思われます。これで年間、3,540円の節約になります。
- 台所の壁面に設置しているタッチ式のエネファーム用多機能リモコンは、スイッチを切った状態でもランプの色で自給率が分かるようになっています。「グリーン」は自給率100%の状態、「ブルー」は多少電力を購入している状態、「オレンジ」はかなり電力を購入している状態です。電子レンジやIHを使用している時は、「オレンジ」なのは、どうしようもないのですが、「ブルー」の時は、ちょっと工夫すれば「グリーン」になるかもしれません。これの積み重ねがエネファームの効率的な運転に役立つ可能性があるかもしれません。
【エネファームの光熱費削減効果の計算方法について】
エネファームの光熱費の削減効果を調べようとした場合、結構面倒くさいです。それでも、エネファーム導入による光熱費の削減効果について月々記録することにしました。
まず、ガスの使用期間と電気の使用期間がずれているので、ガスの使用期間に電気の使用期間を一致させて、電気の総使用量と購入電力量を計算します。例えば8月分請求書に示されている5月25日~6月24日の電気代が最新の料金体系なので、7月分請求書に示されている6月7日~7月4日のガス料金の期間に、電気の使用期間を一致させます。そして7月分請求書に示されている5月25日~6月24日の電気代料金体系を使って電気代を計算します。エネファームは1日毎の発電量と購入電力量及びガス使用量が記録されています。電気の使用期間にガスの使用期間を合わせて計算することも可能ですが、僕はガスの使用期間に電気の使用期間を合わせています。電気の総使用量と購入電力量について、それぞれの電気料金を計算します。その差額が電気代の削減効果です。この数値は概ね正確だと思います。
これまではエネファームのガス1㎥あたり発電量がはっきりしないので、発電に使用したガス量がはっきりしませんでした。仕方ないのでエネファーム導入前と比べて増えているガス使用量を発電に使用したガス量として計算していました。エネファーム導入前の毎月のガス使用量を今年のガス料金体系に計算しなおしたガス代と比較して、増えた分をエネファームの発電に使用したガス代としていました。この数値はざっくりしたものになってしまっていると思ったのですが概ね正確だったかもしれません。
アイシンに問い合わせてみたところ、発電効率からの理論計算によると、定格発電を継続した場合、都市ガス1㎥あたり約6.4kWhを発電する計算になるそうです。
理論値と実際の使用量は異なるのかもしれませんが、理論値を当てはめて2023年3月8日~2024年3月6日(1年間)までの光熱費削減効果を簡略的に計算しなおしてみました。月によってばらつきはあるのですが、理論値では年間31,677円になりました。従来の計算方法による削減額 29,216円と比べてみて、思ったより差が少ないと思いました。従来の計算方法はざっくりしたものになってしまっていると思っていたのですが、思っていたよりは的確な金額が導き出せていたのかもしれません。色々考えてみたのですが、2024年4月分からは理論値を使って光熱費削減効果を計算しています。過去の光熱費削減効果の金額を計算しなおすのは面倒なので、そのままにしておくことにしました。
ちなみに、カタログによるエネファームのガス消費量は「ガス消費量(定格運転時) 1.44kW(HHV)1.30kW(LHV) HHV(高位発熱量基準):燃料ガスを完全に燃焼させた時に生成する水蒸気の凝縮潜熱を発熱量に含めた熱量。LHV(低位発熱量基準):燃料ガスを完全に燃焼させた時に生成する水蒸気の凝縮潜熱を差し引いた熱量。」なのですが、素人には分かりにくい数値です。
尚、エネファームの消費電力について、基本仕様を見ると、「最大消費電力 48W以下(凍結防止ヒータ作動時 477W以下)」という項目があります。この点についてアイシンに問い合わせてみたところ、エネファームは700W+自己消費分の電力を発電するので電気代は発生しないそうです。自己消費分の発電の増減により、ガス消費量が増減することにはなりますが、電気代には影響しません。但し、エネファームは26日毎に約1日運転を停止しますので、その分の待機電力は商用電力を使用することになります。従って、毎月の電力会社に支払う料金の削減効果から30円を引くことにしています。電気代の区切りが30日前後、エネファームの停止期間が26日毎に約1日ですので、月によっては2日分60円を引く場合もあると思います。なぜ、エネファームが26日毎に約1日停止するのかについては、ガスメーター(マイコンメーター)が、ガス漏れと誤認識しないための措置だそうです。
元が取れるか取れないかは、74万円で元が取れると考えることにしています。床暖給湯器を導入した場合との差額、そして同時購入で格安になったエアコンのことも考慮しました。エアコンは、ちょうど新モデルの切り替わり時期でした。少しこじつけになりますがエアコンを同時購入ではなく、2021年11月か12月にさほど機能に大きな差はないと考えられる最新機種を購入した場合の差額を考えてみました。
エネファームは停電時でもガスが供給されている場合、最大700Wまでの電力が供給できるので、安心料を考慮するとか、エネファームを趣味として考えてみた場合の娯楽費削減効果も考慮して良いのかもしれませんが、数値化できないので、そこまでは考えないことにしました。
生活環境は、住居人数3人、LDK17畳ほど、築18年軽量鉄骨一戸建て約106平米(パナホーム)、調理器具はIH、風呂、給湯はガス、です。
電力使用量と発電量の関係について過去1年間のデータは下記の通りです。
2023/7/7~8/4 電力使用量565kWhに対して発電量356kWh 自給率63%
2023/8/5~9/6 電力使用量468kWhに対して発電量303kWh 自給率64%
2023/9/7~10/5 電力使用量422kWhに対して発電量272kWh 自給率64%
2023/10/6~11/7 電力使用量343kWhに対して発電量209kWh 自給率60%
2023/11/8~12/6 電力使用量439kWhに対して発電量257kWh 自給率59%
2023/12/7~1/10 電力使用量673kWhに対して発電量376kWh 自給率56%
2024/1/11~2/6 電力使用量607kWhに対して発電量326kWh 自給率54%
2024/2/7~3/6 電力使用量615kWhに対して発電量330kWh 自給率54%
2024/3/7~4/4 電力使用量580kWhに対して発電量325kWh 自給率56%
2024/4/5~5/8 電力使用量463kWhに対して発電量287kWh 自給率62%
2024/5/9~6/6 電力使用量337kWhに対して発電量214kWh 自給率63%
2024/6/7~7/4 電力使用量402kWhに対して発電量255kWh 自給率63%
376kWhの発電能力があるのなら電力使用量343kWhに対しては自給率100%になるのでは思いますが、そうはならないようです。エネファームの発電能力は700Wなので、効率的な発電のためには、なるべく消費電力が700Wを越えないようにするとよいのかもしれません。
エネファーム導入前にガス使用量の少なかった月は、エネファーム導入後にガス使用量がかなり増えています。もしかすると、エネファーム導入前にガス使用量の少ない月はエネファームのガス消費量の割合が増え、エネファーム導入前にガス使用量の多い月はエネファームのガス使用量の割合が減るということがあるかもしれません。エネファームは家庭用燃料電池システムで、トヨタの燃料電池車MIRAIと基本的な発電の仕組みは同じです。発電に必要なのはガスではなく水素と空気中の酸素です。MIRAIの場合は直接燃料タンクに水素を充填しますが、エネファームの場合は都市ガスやLPガスから水素成分を取り出しています。エネファームの発電に使用するガス以外のガス使用量が少ない月は水素成分を取り出すためにガスを無駄に消費しているのでしょうか。
うちは、IHコンロなので、エネファーム導入前は、ガスの使用はお湯だけでした。エネファームは、ガスを多く使用する冬場のほうが、効率よくガスを使うことができるのでしょうか。
エネファームを導入すると、電気代の請求額がかなり少なくなるので、すごく効果があるような気がしてしまいますが、ガスの使用量が多すぎると思います。光熱費(ガス代と電気代)の削減効果を考えた場合、元を取ることは難しいと思います。
停電になってガスが止まっていない状況であれば700Wまで電気が使えるというのがエネファームの最大のメリットでしょうか。しかしながら、よく考えてみると、災害時に電気がダメージを受けて、ガスがダメージを受けていない状況というのは、あまりないような気がします。
エネファームを導入したことにより、電気代やガス代の料金体系を詳しく把握できるようになったことは、良かったといえば良かったのかもしれません。
エネファームのガス代は割引の多い料金体系になっており、パンフレットを見ても割引が大きい感じがしますが、実際は意外とケチ臭い割引率だと思います。このあたりはガス会社によって異なるのでしょうか。
エネファームの光熱費削減効果はとても少ない金額ですので、計算していて、あまり楽しいものではないのですが、エネファームの効率的な運転、そして光熱費の削減について、少ない可能性について、粘り強く、新しい発見やアイデアを模索中です。
ふと思ったのですが、データの収集とその解釈、そして、それを元に、これからの計画を検討するという流れは、株式投資にも通じるものがあると思いました。