エネファームtypeS(アイシン製)を2022年2月26日に導入しました。それまで使っていた床暖給湯器が寿命を迎えていたため、同じものを買い替えるより面白そうなものを買ってみようと思い導入したものです。
2025年5月(5/1~5/31)のエネファームの電力自給率は62%(総使用量365.9kWh、発電量229.3kWh、購入量136.6kWh)でした。
うちはガス、電気、共に東京ガスです。2025年6月請求分の料金が確定しました。ガスの使用期間が5月9日~6月5日 12,390円 76㎥、電気の使用期間が3月25日~4月24日 8,724円 259kWhとなっていました。
後述しますが、エネファームの光熱費削減効果を調べる場合、ガスと電気の使用期間がバラバラなので、ガスの使用期間に電気の使用期間を合わせています。結構、面倒くさい作業ですが、もう慣れました。
2025年4月5日~2025年5月8日(34日間)の光熱費削減効果は3,765円(概算)でした。1年前の同期間の削減効果は2,441円(概算)でした。去年の同期間の電力自給率62%、今年は56%です。去年より自給率が若干低下していますが、誤差の範囲内、或いは去年より暑い、等が原因でしょうか。去年より自給率が若干低下しているのですが、光熱費削減効果は改善しています。これは、様々な要因が複雑に絡み合った結果でしょうか。或いは誤差でしょうか。
去年、2023年9月から電気代の燃料調整費額が徴収されるのではなく、還元されているので、電気代の削減効果が少ない傾向となっていると思います。「電気・ガス価格激変緩和対策事業」により、光熱費が安くなるのはいいことですが、電気代の値引きの方が、ガス代の値引きより、かなり大きいと思います。政府は、「電気・ガス価格激変緩和対策事業」を、今年2024年5月使用分までで終了させることを決定しましたので、2024年6月分から光熱費削減効果が多少改善するかもしれないと思っていたのですが、2025年6月請求分(電気の使用期間3/25~4/24)でも、燃料調整額は、まだ還元されていました。調べてみたところ、公表されている7月分までは還元になっていました。興味深いのは東京電力エリアでは還元されていても、中部電力エリアでは徴収されている場合があるようです。具体的には東京電力エリア、2月分-9.00円/kWh、3月分-8.83円/kWh、4月分-7.38円/kWh、5月分-6.19円/kWh、6月分-6.39円/kWh、7月分-6.88円/kWhに対して、中部電力エリア、2月分-0.15円/kWh、3月分0.06円/kWh、4月分1.64円/kWh、5月分2.84円/kWh、6月分2.63円/kWh、7月分1.98円/kWhとなっていました。エネファームの光熱費削減効果については、東京電力エリアより、中部電力エリアのほうが多少有利な状況が続いているということかもしれません。
2025年3月7日~2025年4月4日(1ヶ月間)の光熱費削減効果は、8,902円(概算)です。
この先、ガス代が安く、電気代が高くなるような状況になればエネファームの光熱費削減効果が高まりますが、逆になった場合は、ますます光熱費削減効果が低いものとなってしまうことになります。
2025年4月5日~2025年5月8日(34日間)
ガス使用量 90㎥ 料金 14,463円
電気使用量441.8kWh 購入電力量190.8kWh 料金,円(概算) 電力自給率56%
電力会社に支払う料金の削減効果8,757円(概算)
エネファーム導入により増加したガス料金39.2㎥ 4,992円(概算)
光熱費削減効果3,765円(概算)
2025年3月7日~2025年4月4日(29日間)
ガス使用量 98㎥ 料金 13,556円
電気使用量716.9kWh 購入電力量410.0kWh 料金13,331円(概算) 電力自給率42%
電力会社に支払う料金の削減効果10,668円(概算)
エネファーム導入により増加したガス料金48.0㎥ 5,531円(概算)
光熱費削減効果5,137円(概算)
2022年3月8日~2025年3月6日(3年間)の光熱費削減効果125,591円(概算)についての詳細は下記の記事をご覧ください。
【エネファームの光熱費削減効果を高めるアイデアについて】
- エネファームを導入すると、電気代が、かなり安くなりますので、少ない電力使用量に適した料金プランがある場合は変更した方が良いかもしれません。
- エネファームを導入した場合、アンペア契約についても検討してみると良いかもしれません。但し、アンペア契約は頻繁に変更はできないと思いますので、慎重に検討したほうが良いと思います。アイシンに問い合わせてみたところエネファームtypeSの電流値は7Aだそうです。また、エネファームが主幹ブレーカーの上流側に接続されている場合、例えば50A契約の場合、使用できる電気は50Aのままです。エネファームが分電盤の最下流側に接続されている場合、50A契約の場合、57Aまでの電気が使えることになります。うちの場合は、50A契約で57Aまでの電気が使える状態でした。10年以上前だったと思いますが、40A契約で時々ブレーカーが落ちるので50Aにしたのですが、エネファーム導入で57Aはオーバースペックと思われますので、現在は40A契約に変更して、47Aまでの電気が使える状態です。これで年間3,741円の節約になります。エネファーム停止の日だけ注意すれば、ブレーカーが落ちることはほとんどないと思っていたのですが、冬場を中心に自給率が40パーセントを下回るような状況では少し注意が必要かもしれません。この冬は2回ほどブレーカーが落ちました。去年に比べて、妻や娘がオーブントースター(日立 HMO-F100)を使っていることが多いような気がするのと、去年は使用していなかった、遠赤外線暖房機セラムヒート(ダイキン製)の併用も影響しているのかもしれません。
- 台所の壁面に設置しているタッチ式のエネファーム用多機能リモコンは、スイッチを切った状態でもランプの色で自給率が分かるようになっています。「グリーン」は自給率100%の状態、「ブルー」は多少電力を購入している状態、「オレンジ」はかなり電力を購入している状態です。ランプ消灯時は、26日に1回のエネファーム休止モードの状態なので、ブレーカーが落ちないように注意しています。尚、多機能リモコンはリアルタイムで電気使用量、購入電力量、発電量がわかるになっています。電子レンジやIHを使用している時が、「オレンジ」なのは、どうしようもないのですが、「ブルー」の時は、ちょっと工夫すれば「グリーン」になるかもしれません。これの積み重ねがエネファームの効率的な運転に役立つ可能性があるかもしれません。
【エネファームの光熱費削減効果の計算方法について】
エネファームの光熱費の削減効果を調べようとした場合、結構面倒くさいです。それでも、エネファーム導入による光熱費の削減効果について月々記録することにしました。
まず、ガスの使用期間と電気の使用期間がずれているので、ガスの使用期間に電気の使用期間を一致させて、電気の総使用量と購入電力量を計算します。例えば6月分請求書に示されている3月25日~4月24日の電気代が最新の料金体系なので、5月分請求書に示されている4月5日~5月8日のガス料金の期間に、電気の使用期間を一致させます。そして6月分請求書に示されている3月25日~4月24日の電気代料金体系を使って電気代を計算します。エネファームは1日毎の発電量と購入電力量及びガス使用量が記録されています。電気の使用期間にガスの使用期間を合わせて計算することも可能ですが、僕はガスの使用期間に電気の使用期間を合わせています。電気の総使用量と購入電力量について、それぞれの電気料金を計算します。その差額が電気代の削減効果です。この数値は概ね正確だと思います。
2024年3月まではエネファームのガス1㎥あたり発電量がはっきりしないので、発電に使用したガス量がはっきりしませんでした。仕方ないのでエネファーム導入前と比べて増えているガス使用量を発電に使用したガス量として計算していました。エネファーム導入前の毎月のガス使用量を今年のガス料金体系に計算しなおしたガス代と比較して、増えた分をエネファームの発電に使用したガス代としていました。この数値はざっくりしたものになってしまっていると思っていたのですが概ね正確だったかもしれません。
アイシンに問い合わせてみたところ、発電効率からの理論計算によると、定格発電を継続した場合、都市ガス1㎥あたり約6.4kWhを発電する計算になるそうです。
理論値と実際の使用量は異なるのかもしれませんが、理論値を当てはめて2023年3月8日~2024年3月6日(1年間)までの光熱費削減効果を簡略的に計算しなおしてみました。月によってばらつきはあるのですが、理論値では年間31,677円になりました。従来の計算方法による削減額 29,216円と比べてみて、思ったより差が少ないと思いました。従来の計算方法はざっくりしたものになってしまっていると思っていたのですが、思っていたよりは的確な金額が導き出せていたのかもしれません。色々考えてみたのですが、2024年4月分からは理論値を使って光熱費削減効果を計算しています。過去の光熱費削減効果の金額を計算しなおすのは面倒なので、そのままにしておくことにしました。
ちなみに、カタログによるエネファームのガス消費量は「ガス消費量(定格運転時) 1.44kW(HHV)1.30kW(LHV) HHV(高位発熱量基準):燃料ガスを完全に燃焼させた時に生成する水蒸気の凝縮潜熱を発熱量に含めた熱量。LHV(低位発熱量基準):燃料ガスを完全に燃焼させた時に生成する水蒸気の凝縮潜熱を差し引いた熱量。」なのですが、素人には分かりにくい数値です。
尚、エネファームの消費電力について、基本仕様を見ると、「最大消費電力 48W以下(凍結防止ヒータ作動時 477W以下)」という項目があります。この点についてアイシンに問い合わせてみたところ、エネファームは700W+自己消費分の電力を発電するので電気代は発生しないそうです。自己消費分の発電の増減により、ガス消費量が増減することにはなりますが、電気代には影響しません。但し、エネファームは26日毎に約1日運転を停止しますので、その分の待機電力は商用電力を使用することになります。従って、毎月の電力会社に支払う料金の削減効果から40円を引くことにしています。電気代の区切りが30日前後、エネファームの停止期間が26日毎に約1日ですので、月によっては2日分80円を引く場合もあると思います。なぜ、エネファームが26日毎に約1日停止するのかについては、ガスメーター(マイコンメーター)が、ガス漏れと誤認識しないための措置だそうです。
元が取れるか取れないかは、74万円で元が取れると考えることにしています。床暖給湯器を導入した場合との差額、そして同時購入で格安になったエアコンのことも考慮しました。エアコンは、ちょうど新モデルの切り替わり時期でした。少しこじつけになりますがエアコンを同時購入ではなく、2021年11月か12月にさほど機能に大きな差はないと考えられる最新機種を購入した場合の差額を考えてみました。
エネファームは停電時でもガスが供給されている場合、最大700Wまでの電力が供給できるので、安心料を考慮してもよいのかもしれませんが、数値化できないので、そこまでは考えないことにしました。
生活環境は、住居人数3人、LDK17畳ほど、築20年軽量鉄骨一戸建て約106平米(パナホーム)、調理器具はIH、風呂、給湯はガス、です。
電力使用量と発電量の関係について過去1年間のデータは下記の通りです。
2024/5/9~6/6 電力使用量337kWhに対して発電量214kWh 自給率63%
2024/6/7~7/4 電力使用量402kWhに対して発電量255kWh 自給率63%
2024/7/5~8/6 電力使用量641kWhに対して発電量267kWh 自給率58%
2024/8/7~9/5 電力使用量471kWhに対して発電量284kWh 自給率60%
2024/9/6~10/4 電力使用量391kWhに対して発電量241kWh 自給率61%
2024/10/5~11/7 電力使用量432kWhに対して発電量265kWh 自給率61%
2024/11/8~12/5 電力使用量600kWhに対して発電量306kWh 自給率51%
2024/12/6~1/9 電力使用量1,113kWhに対して発電量446kWh 自給率40%
2025/1/10~2/6 電力使用量929kWhに対して発電量354kWh 自給率38%
2025/2/7~3/6 電力使用量832kWhに対して発電量316kWh 自給率38%
2025/3/7~4/4 電力使用量717kWhに対して発電量307kWh 自給率42%
2025/4/5~5/8 電力使用量442kWhに対して発電量251kWh 自給率56%
446kWhの発電能力があるのなら電力使用量337kWhに対しては自給率100%になるのでは思いますが、そうはならないようです。エネファームの発電能力は700Wなので、効率的な発電のためには、なるべく消費電力が700Wを越えないようにするとよいのかもしれません。但し、効率的な発電と、光熱費削減効果の金額は、必ずしも一致しないところが、エネファームの奥の深いところかもしれません。
エネファーム導入前にガス使用量の少なかった月は、エネファーム導入後にガス使用量がかなり増えています。もしかすると、エネファーム導入前にガス使用量の少ない月はエネファームのガス消費量の割合が増え、エネファーム導入前にガス使用量の多い月はエネファームのガス使用量の割合が減るということがあるかもしれません。エネファームは家庭用燃料電池システムで、例えばトヨタの燃料電池車MIRAIと基本的な発電の仕組みは同じです。発電に必要なのはガスではなく水素と空気中の酸素です。MIRAIの場合は直接燃料タンクに水素を充填しますが、エネファームの場合は都市ガスやLPガスから水素成分を取り出しています。エネファームの発電に使用するガス以外のガス使用量が少ない月は水素成分を取り出すためにガスを無駄に消費しているのでしょうか。
うちは、IHコンロなので、エネファーム導入前は、ガスの使用はお湯だけでした。エネファームは、ガスを多く使用する冬場のほうが、効率よくガスを使うことができるのでしょうか。
エネファームを導入すると、電気代の請求額がかなり少なくなるので、すごく効果があるような気がしてしまいますが、ガスの使用量が多すぎると思います。光熱費(ガス代と電気代)の削減効果を考えた場合、元を取ることは難しいと思います。
停電になってガスが止まっていない状況であれば700Wまで電気が使えるというのがエネファームの最大のメリットでしょうか。しかしながら、よく考えてみると、災害時に電気がダメージを受けて、ガスがダメージを受けていない状況というのは、あまりないような気がします。
エネファームを導入したことにより、電気代やガス代の料金体系を詳しく把握できるようになったことは、良かったのかもしれません。
エネファームのガス代は割引の多い料金体系になっており、パンフレットを見ても割引が大きい感じがしますが、実際は意外とケチ臭い割引率だと思います。このあたりはガス会社によって異なるのでしょうか。
エネファームの光熱費削減効果は少ない金額ですので、計算していて、あまり楽しくないのですが、エネファームの効率的な運転、そして光熱費削減の、少ない可能性について、粘り強く、新しい発見やアイデアを模索しています。