MINIPOCHI’s diary

僕は50代後半、妻は50代半ば、東京在住です。子供二人、犬一匹(16歳のトイプードル、ポチ)、20年11ヶ月、246,432Km乗り続けてきたR53 BMWミニ JCWは本当に楽しい車でした。現在は2022年式アウディRS3セダン(GYDNWF)です。ドライブ、株式投資、ペット、オーディオ、音楽、時計等、雑記ブログです。

名曲「イマジン」とパラダイムシフト

 ジョンレノンとオノヨーコの名曲「イマジン」は、いろいろなメッセージを発していると思いますが、核心は平和的な生き方について発想の転換(パラダイムシフト)を提案している曲だと思います。必ずしも、宗教、国家、所有を否定するものではないと僕は解釈しています。「イマジン」のテーマのひとつに「想像」があると思いますが、受け取る側にも想像力が求められる曲だと思います。

 僕は趣味と実益を兼ねて日本株投資をやっています。株式投資の世界では当然のことながら、お金について語られることがほとんどです。しかしながら株式投資は、お金以外の知識の幅が広がるという意外なメリットもあると思います。

 株式投資に関する情報取集で、よく目にする言葉「SDGs」について色々調べているうち、「SDGsの考え方」と「イマジンの世界観」には共通するものがあると思うようになりました。

 「イマジン」はとても有名な曲で、僕も昔からよく知っていますので「イマジン再考」といったところでしょうか。

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 上記のサイトによりますと、「イマジン」の歌詞は、1964年に発表されたオノ・ヨーコの詩集『グレープフルーツ』に収録されている詩からインスピレーションを得ているとされています。尚「グレープフルーツ」は500部の限定版として東京で出版されています。その後、1970年には、加筆された英語版が世界発売されています。

 現在、日本で入手が容易なのは、「グレープフルーツ・ジュース」(オノヨーコ著  南風 椎 訳 講談社文庫 1998年)です。この本は、「グレープフルーツ」1970年版から、ていねいに言葉を選びなおし、日本の代表的な写真家たちに協力を依頼したものです。

 「イマジン」の理解を深めるために「グレープフルーツ・ジュース」を読んでみました。最初は、あまり面白くない本かと思っていたのですが、意外に面白い本でした。この本のメッセージは、いろいろあると思いますが、既成概念を解きほぐすストレッチ体操のような本だと思いました。筋肉だけではなく、「ものの見方」も時には解きほぐすといいのかもしれません。

 「イマジン」は今では作者の元を巣立っていき、世界中のたくさんの人たちに寄り添うような曲になっていると思います。演奏する人も聴く人もそれぞれの「イマジン」があると思います。

 

今では色々な人が色々な「イマジン」を歌っています。

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オノヨーコの歌う「イマジン」は、詩集「グレープフルーツ」の世界と重なる部分があるかもしれません。

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生まれたての「イマジン」はジョンの曲という感じです。

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 「イマジン」の歌詞の和訳が分かりやすい動画です。歌詞の和訳は7分50秒からです。彼の「イマジン」の解釈も興味深いです。

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下記の動画の「イマジン」の歌詞の和訳も分かりやすいと思います。

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 Shaylee Mary(シェイリー・マリー)の「イマジン」の動画は、わかりやすい「イマジン」だと思います。

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 ここでは、Shaylee Mary(シェイリー・マリー)の動画の和訳等で、「イマジン」について、僕なりに考えてみました。

 

想像してごらん 天国なんかないんだと

ほら、簡単でしょう

地面の下に地獄なんてない

僕たちの上にはただ空があるだけ

想像してごらん、皆がただ今を生きている

 

想像してごらん 国なんてないんだと

そんなに難しいことではないでしょ

殺す理由も死ぬ理由もなく

そして宗教もない

想像してごらん みんながただ平和に生きてるって

 

君は僕のことを夢想家だというかもしれない

でも僕1人じゃないはず

いつかあなたもみんなも仲間になることを願って

きっと世界は1つになるんだ

 

想像してごらん 何も所有しないって

あなたならできると思うよ

欲張ったり、飢えることもない

人はみな兄弟なんだって

想像してごらん みんなが世界をわかち合うって

 

君は僕のことを夢想家だというかもしれない

でも僕1人じゃないはず

いつかあなたもみんなも仲間になることを願って

きっと世界は1つになるんだ

 

 「イマジン」には、いろいろな側面があると思いますが、メッセージの核心は、平和的な生き方について発想の転換(パラダイムシフト)を提案している曲だと思います。

 「イマジン」では、「宗教」「国」「所有」のない世界について「想像してみて」と言っていますが、必ずしも、それらを否定している訳ではないと思います。補足すると「あなたの考えは、ひとまず置いておいて、まずは想像してみて」と言われているような気がします。なかなか気が付きにくい「ものの見方」を、聴く側が想像できるように、インパクトの強い問いかけになっているのではないでしょうか。

 「世界中の人々が平和に暮らしている世界」という理想を実現するための「宗教」や「国」の役割、そして「所有」について、考えてみて、と言われているような気がします。

 パラダイムシフト」については、「人生を成功させる7つの秘訣」スティーヴン・コーヴィー 著(日下公人、土屋京子 訳) 講談社 1990年9月初版で詳しく述べられています。既に絶版ですが、現在では「7つの習慣」として有名ですので簡単に入手可能です。現在も発売されている「7つの習慣」のほうが原著により忠実なのかもしれませんが、僕は何となく講談社版のほうが好きです。

 パラダイムシフト」を簡潔に説明するために、よく用いられている「妻と義母」という絵は、「若い女性」にも「おばあさん」にも見える絵です。「若い女性」にしか見えない人に「おばあさん」にみえるように説明するのはそれなりにたいへんかもしれませんし、その逆もそうかもしれません。 

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 「妻と義母」は視覚的なものですが、「ものの見方」に置き換えてみると、「あること」についての正しい解釈は、必ずしも一つではないのですが、議論になると、お互いに正しいことを考えていても、お互いに、相手は間違っていて自分が正しい、と認識してしまう場合があると思います。相手の意見を聞くためには、お互いの信頼関係が重要になると思いますが、その場合、「普遍的な価値観」を共有した人どうしであれば、話がスムーズに進みやすいということになると思います。実際のところは、人の感情はそんなに単純なものではないと思いますが、少なくとも理屈の上ではそうなると思います。イマジンの歌詞では、「平和に生きる」「兄弟のように助け合う」「世界を分かち合う」といった言葉がちりばめられていますが、これらは洋の東西を問わず、昔も今も変わることのない普遍的な価値観だと思います。

 「イマジン」では、たくさんの普遍的な価値を世界中の人たちと共有することの大切さを暗示しているような気がします。

 

 次に細かく歌詞を見ていきたいと思います。

 

「想像してごらん 天国なんかないんだと

ほら、簡単でしょう

地面の下に地獄なんてない

僕たちの上にはただ空があるだけ

想像してごらん、皆がただ今を生きている」

 歌詞の上記の部分については、いろいろな解釈ができるようです。無宗教に近い仏教徒の僕としては、「心を空っぽにして、澄みきった青空を眺めて地球を感じてみて。」と言われているような気がします。

 

「想像してごらん 国なんてないんだと

そんなに難しいことではないでしょ

殺す理由も死ぬ理由もなく

そして宗教もない

想像してごらん みんながただ平和に生きてるって」

 上記の部分についても、いろいろな解釈があるようです。僕が思ったのは「国は人々のために存在するもので、国のために人々があるのではない」、「宗教本来の教えは世界中の人々が平和に暮らしていくための心の支えであるはず」ということを暗示しているような気がしました。

 

「想像してごらん 何も所有しないって

あなたならできると思うよ

欲張ったり、飢えることもない

人はみな兄弟なんだって

想像してごらん みんなが世界をわかち合うって」

 上記の部分も、いろいろな解釈があるようです。僕は、次のようなことを暗示しているのではないかと思いました。「所有物はあなたの支配下に置くべきもので、所有物にあなたが支配されてはいけない。」

 例えば、僕は日本株投資をやっていますが、株価は予想外の動きをすることがよくあります。たまたま株価が上昇しても僕が偉くなった訳ではありませんし、たまたま株価が下がっても僕の人間としての価値が下がった訳でもありません。「お金」を始めとした所有物のような、移ろいやすいものが、価値判断の基準や心の拠り所になってはいけないということだと思います。価値判断の基準や心の拠り所は、洋の東西を問わず、昔も今も変わることのない、ゆるぎない「普遍の価値」に置くことで、ぶれない生き方ができるということだと思います。実際の人間の感情は、そんなに単純なものではないと思いますが、少なくとも理屈の上ではそうなると思います。ここでは「兄弟のように助け合う」「世界を分かち合う」という普遍的な価値観が示されています。「お金」が大切なものであることは言うまでもありませんが、「心の中心におくべきもの」と「大切なもの」は必ずしも一致しないという部分は少し分かりづらいというか誤解されやすい部分かもしれません。このあたりのことは「人生を成功させる7つの秘訣」スティーヴン・コーヴィー 著(日下公人、土屋京子 訳) 講談社 1990年9月初版で詳しく述べられています。

 

「君は僕のことを夢想家だというかもしれない

でも僕1人じゃないはず

いつかあなたもみんなも仲間になることを願って

きっと世界は1つになるんだ」

 上記の部分は、素直に分かりやすい部分だと思います。僕は、この部分を読んで、アルベルト・シュヴァイツァー(1875~1965)の名言を思い出しました。頭の片隅にあったものですが、知識の断片を手掛かりにグーグルで検索すると、名言に辿り着きました。便利な世の中になったと思います。次の名言です。

「少年の頃の理想主義の中に、人間にとっての真理が潜んでいる。そして少年の頃の理想主義は、何ものにも換えることが出来ない人間の財産である。」

 子供の頃は、純粋な心で、正しいことについて考えていたりしたと思います。大人になるに従って理想と現実は違うということに気が付くようになり、少年の頃の理想主義はどこかにいってしまいがちになると思います。しかしながら、少年の頃に思い描いていた理想は美しくてかけがえのないもので、世の中をよくするためには必要な考え方ですよ、といった意味合いでしょうか。

 僕は、聖人のような生き方はできませんが、「イマジン」は平和について考えるきっかけになる曲だと思います。

 

 ちなみに、「SDGs」を含む「持続可能な開発のための2030アジェンダ」は、2015年9月の国連サミットで、193の国連加盟国の全会一致で採択されています。あらゆる国の全会一致で崇高な理念を持つ文書が採択されたということは、ほんの一瞬ではあったかもしれませんが、世界が1つになった瞬間があったのかもしれません。

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