MINIPOCHI’s diary

60歳の日本株投資、Audi RS3(2022年式 GYDNWF)での日帰り・犬連れドライブ、エネファーム維持費を公開する実体験ブログ。東京在住。妻は50代後半、子供二人は社会人。愛犬ポチ(トイプードル 2007-2025)との旅の記録や、24万キロ走ったBMWミニ(R53)、音楽・オーディオ・時計も綴る雑記帳。

【2025年12月運用報告】日経平均・オルカン・厳選ジャパン等をベンチマークした結果

 約11年間ほったらかしになっていた株式投資を2020年6月から再開しています。今月で5年7ヶ月になります。投資額 5,200万円、評価損益(含み損) -1,982万円、含み益 2.6万円です。含み損がたいへん多く、含み益がたいへん少ないのですが、配当と譲渡益が4,096万円(税引き後)に積み上がっており、全て再投資に回していますので、トータルリターンは+2,114万円です。運用額は9,296万円、買付余力 は921万円です。これまでで最悪の暴落は2025年4月のトランプショックで保有株損益率-43.97%になりましたが、同じ暴落が襲ってきても413万円ほどプラスを維持できる状況になってきました。

  再開前は投資額約173万円に対して評価額約235万円で約62万円の含み益になっていました。2020年6月は日経平均が22,500円前後でしたので再開する時期としてはよかったと思います。

 先月から、毎月、1年間の騰落率を、日経平均(配当込み)、TOPIX(配当込み)、ひふみプラス、さわかみ投信と比較しています。今月から、厳選ジャパン、eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)を追加することにしました。毎月チェックすることで、たまたま良かったり、悪かったりといった影響を排除でき、ベンチマークとの適切な比較が出来ると思います。

*2024年12月30日~2025年12月30日の1年間の騰落率

1位 厳選ジャパン 56.4%

2位 日経平均(配当込み) 28.5%

3位 TOPIX(配当込み) 25.46%

4位 僕のポートフォリオ 24.25%

5位 eMAXIS Slim(オルカン) 20.5%

6位 ひふみプラス 19.54%

7位 さわかみ投信 10.46%

 Geminiを用いて、修正ディーツ法に基づき、買付余力(現金)を加味した総資産(時価)で計算しています。ベンチマークの騰落率は税引き前の数値ですので、僕のポートフォリオの騰落率も税引き前に換算しています。日経平均とTOPIXは配当込みの騰落率と比較しています。また、アクティブ投信は100%運用ではなく、ある程度現金化していると思われますので、僕のポートフォリオも買付余力込みにしています。これで適切な比較になるようです。

 趣味と実益を兼ねて日経平均やTOPIXをアウトパフォームするという目標にだいぶん近づいてきました。今月はあと少しのところでTOPIXに及びませんでした。僕のポートフォリオは半導体関連の含み損が大きくなると一気にパフォーマンスが悪化すると思われますので、そこが心配です。現在のところ、オルカン、ひふみプラス、さわかみ投信をアウトパフォーム出来ているので、まずまずの運用成績だとは思います。それにしても厳選ジャパンのパフォーマンスは驚異的です。

【ご留意事項】 僕のポートフォリオ騰落率の計算には、Geminiを活用していますが、AIによる計算プロセスにおいて、依頼文の認識やデータの解釈に誤りがある可能性も否定できないため、あくまで「目安」としての数値であることをお断りしておきます。ベンチマークの騰落率については公式ウェブサイト等で確認していますので正確な数値です。

 

*内容は下記になります。

*運用状況と年換算利回り

 2025年12月末時点での運用状況は下記になります。証券口座は大和証券のみです。現物日本株108銘柄で、譲渡益と配当はすべて再投資です。

  •      92,964,137円(取得金額「投資金額+配当+譲渡益」)
  •       73,146,346円(評価額)
  •      52,000,000円(投資金額)
  •       83,752,291円(保有株取得額)
  •       63,934,500円(保有株評価額)
  •  +40,964,137円(譲渡益+配当)
  •          +26,190円(含み益)
  •    -19,843,981円(含み損)
  •   -19,817,791円(含み益-含み損)
  •   +21,146,346円(譲渡益+配当+含み益-含み損) 
  •        9,211,846円(買付余力)

・ファンダメンタルズ

 僕のポートフォリオ

・PER 22.70   ・PBR 2.41  ・予想配当利回り 1.55%   ・ROE 16.77%

 日経平均

・PER 18.99 ・PBR 1.69   ・予想配当利回り 1.86%   ・ROE   9.98%

 日経平均の「PER」「PBR」は「加重平均」と「指数ベース」では、かなり数値が異なります。ちなみに指数ベースのPERは23.53です。

 

 仮に全株売却した場合のリターンは下記になります。売却予定がなくても、全株売却した場合のパフォーマンスを定期的にチェックすることは含み損の管理に有効だと思います。特定口座の算出期間は1月1日~12月31日迄です。損切した際に還付される税金は、3,814,465円です。今年還付しきれない不足額は約149,094円です。3年間の繰り越しで回収可能なレベルです。全株売却の予定がなくても、3年間の繰り越しで回収可能な税金の水準を意識することは重要だと思います。

  • 52,000,000円(投資金額)に対する約24,960,811円(仮に全株売却した場合の利益概算)リターン 約48.00%(税引き後)

株式投資におけるリスク管理は、運用状況について様々な指標でチェックすることが必要だと思いますが、下記の指標が一番重要だと考えています。この数字は会計における純利益のようなもので最も厳しい数字になると思います。

  • 52,000,000円(投資金額)に対する24,340,811円(仮に全株売却した場合の2020年6月以降の利益概算)の2020年6月以降の年換算利回り 約8.38%(税引き後) 

ニデックが特別注意銘柄に指定されましたので、同銘柄が無価値になった場合の試算をしてみたところ、年換算利回り 約8.23%(税引き後)になりました。影響は軽微です。

*2025年12月の含み損の状況

  • 92,964,137円(取得金額「投資金額+配当+譲渡益」)に対する損益率-21.31%
  • 83,752,291円(保有株取得額)に対する損益率-23.66%

 

  • 含み損下位5銘柄(損益率 -32.32% 取得額合計 19,091,242円)
  • ディスコ -1,919,300円 評価額 4,817,000円  評価損益率 -28.49%
  • レーザーテック -1,458,600円 評価額 2,964,500円  評価損益率  -32.97%
  • ニトリHD -1,017,250円 評価額 1,371,250円  評価損益率  -42.58%
  • ソフトバンクG -930,400円 評価額 1,760,000円  評価損益率  -34.58%
  • ダイキン工業 -844,942円 評価額 2,008,000円 評価損益率 -29.61%

 

  • 評価損益率下位5銘柄(損益率 -74.94% 取得額合計 2,398,924円)
  • ソニーFG -81.79% 含み損 -149,200円 評価額 33,200円
  • ウエストHD -77.34% 含み損 -521,750円 評価額 152,800円
  • ABEJA -73.95% 含み損 -677,495円 評価額 238,600円
  • ネクセラファーマ -72.24% 含み損 -215,279円 評価額 82,700円
  • GMOインターネット -71.74% 含み損 -234,200円 評価額 93,700円

 

  仮に全株売却した場合の利益について1年前との比較

  • 2024年12月末 約 11,126,862円 還付しきれない税金額 約 1,046,697円  
  • 2025年12月末 約 24,960,811円 還付しきれない税金額 約    149,094円
  • 約 13,833,949円(約124.32%)の増加

 

  • 2024年12月末の含み損 17,106,621円
  • 2025年12月末の含み損 19,817,791円

 1年前の含み損が約1,711万円今月末の含み損が約1,982万円です。約271万円の悪化です。個々の株の含み損額や評価損益率を見ると、どうしようもない状況のようにも思えますが、全体の損益率で見ると、約-21%で思ったほどひどい運用状況ではないと言えるかもしれません。保有株取得額に対する損益率約-24%です。損益率が-30%を超えるような状況は危険水域だと思いますが、-20%台だと、まだ少し余裕があると思います。天気予報でいえば-30%台は警報級、-20%台は注意報といったところでしょうか。仮に全株売却した場合の年換算利回り約8.38%(税引き後)、については、株式投資として十分な水準になってきたと思います。

 仮に全株売却した場合の利益は、去年の同時期と比べて約1,383万円(増加率約124%)増加しています。株式投資は前進したり後退したりの繰り返しだと思いますが、長い目で見て右肩上がりの状況にしていきたいです。

 含み損下位5銘柄評価損益率下位5銘柄を改めて眺めてみると、かなりひどい含み損だと思いますが、最悪期は脱しつつある状況かもしれません。

 2025年12月末時点での投資金額は5,200万円ですが、振り返ってみれば、5年7ヶ月で、譲渡益と配当で、税引き後 約4,096万円(税引前 約5,120万円)の利益を確定することができました。コツコツと積み上げてきた利益です。株式投資といえば、大化け株とかテンバガーといったことが、よく注目されます。もちろん、それはそれでよいと思うのですが、それと同時に地道な商売のような考え方も必要だと思います。

 僕は、「含み損」について、いろいろ考えているのですが、いろいろなタイプの「含み損」があると思います。譲渡益と配当を再投資する場合について、「利益確定の少ない含み損」「利益確定の多い含み損」の二つのタイプの「含み損」があると思います。運用額に対する再投資額の割合が高くなるほど含み損の悪影響が緩和されると思います。運用額に対する再投資額の割合が0%の場合、含み損の拡大は損失の拡大、含み損の縮小は損失の縮小です。僕のポートフォリオの場合、現在、運用額に対する再投資額の割合が78.78%になっていますが、このくらいになると、「含み損の縮小=損失の縮小」というより「含み損の縮小=利益の増加」という感じがします。

 例えば、・投資額1000万円、利益確定無し、含み損250万円の場合、長期保有でやっと含み損が解消したとしてプラスマイナスゼロという非常に効率の悪い投資になってしまいます。

 次に・投資額1000万円、利益確定500万円再投資、含み損250万円の場合、含み損が解消した時点で50%のリターンが得られる投資になります。

 単純化して考えてみましたが、僕の「含み損」は後者なので、パフォーマンスが向上することを信じて、日々、歩んでいきたいと思います。

 

*1年前と比較した利益の増減

僕のポートフォリオの利益の増減は下記の通りです。

1. 譲渡益+配当+含み益-含み損[税引前換算]

 2024年12月末 約+15,216,947円

 2025年12月末 約+31,387,380円

 増加額 約16,170,433円(約106.27%の増加)

 

2. 譲渡益+配当[税引後]

2024年12月末   +25,858,855円

2025年12月末   +40,964,137円

増加額 15,105,282円(58.41%の増加)

 

 「1」「2」の増加額をバランス良く増やしていくことが重要だと考えています。僕の場合は含み損の悪影響が大きくならないように「2」を増やしていくことが特に重要と考えています。

 

*僕の日本株ポートフォリオと、日経平均、日経半導体株指数、日経平均高配当株50指数との銘柄の比較

 日経平均、日経半導体株指数、日経平均高配当株50指数、と僕の日本株ポートフォリオの毎月末の銘柄を比較しています。日経平均をアウトパフォームするための手掛かりのひとつにしたいと考えています。

日経平均については、で示した銘柄が僕も所有している銘柄、で示している銘柄は僕が所有していて、日経平均採用銘柄ではない銘柄です。日経半導体株指数日経平均高配当株50指数については僕も所有している銘柄についてで示しました。

・「保有株リスト」は、こちらをクリックするとご覧頂けます。
・日経平均(年間騰落率+26.18%)

【医薬品】
協和キリン 
武田薬品
アステラス 
住友ファーマ
塩野義
中外薬 
エーザイ
第一三共 
大塚HD

ネクセラファーマ

【電気機器】
ミネベア
日立
三菱電 
富士電機
安川電
ソシオネクス
オムロン 
GSユアサ
NEC
富士通
ルネサス
エプソン
パナソニックHD
シャープ
ソニーG
TDK
アルプスアル 
横河電
アドテスト
キーエンス
デンソー
レーザーテック
カシオ
ファナック
京セラ 
太陽誘電 
村田製 
スクリン 
キヤノン
リコー
東京エレクトロン

コクサイエレクトリック

イビデン

浜松ホトニクス

三井ハイテック

助川電気

キオクシア

古野電気

ニデック

【自動車】
日産自
いすゞ
トヨタ
日野自
三菱自
マツダ 
ホンダ
スズキ
SUBARU
ヤマハ発

【精密機器】
テルモ
コニカミノルタ
ディスコ
ニコン
オリンパス
HOYA
シチズン

【通信】
NTT
KDDI
ソフトバンク
ソフトバンクグループ

【銀行】
しずおかFG
コンコルディア
あおぞら銀 
三菱UFJ
りそなHD
三井住友トラ

三井住友FG
千葉銀
ふくおかFG
みずほFG

ゆうちょ

いよぎん

【その他金融】

クレセゾン
オリックス 
日本取引所

【証券】
大和証券
野村ホールディングス

マネックスG

【保険】
SOMPO
MS&AD
第一生命HD
東京海上
T&D

かんぽ生命

ソニーFG
【水産】
ニッスイ

【食品】
日清粉G
明治HD
日ハム
サッポロHD
アサヒグループホールディングス
キリンHD
味の素
JT

山崎製パン

【小売業】
Jフロント
ZOZO
三越伊勢丹
セブン&アイ
良品計画
高島屋
丸井G
イオン
ニトリHD
ファストリ

トライアル

クスリのアオキ

【サービス】
エムスリー
ディーエヌエー
ネクソン
野村総研
電通グループ
メルカリ
OLC
ラインヤフー

トレンドマイクロ
サイバー
楽天グループ
リクルート
日本郵政
任天堂
東宝
セコム
コナミG

ベイカレント

さくらインターネット

ABEJA

カバー

GMOインターネット

アステリア

NOTE

【鉱業】
INPEX

【繊維】
帝人
東レ

【パルプ・紙】
王子HD

【化学】
クラレ
旭化成
住友化
日産化
東ソー
トクヤマ
デンカ
信越化
三井化学
三菱ケミG
UBE
花王

富士フイルム
資生堂
日東電

積水化学

第一稀元素

【石油】
出光興産
ENEOS

【ゴム】
横浜ゴム
ブリヂストン

【窯業】
AGC
日電硝
太平洋セメント
東海カーボン
TOTO
日本碍子

日東紡績

【鉄鋼】
日本製鉄
神戸鋼
JFE

【非鉄・金属】
SUMCO
三井金
三菱マ
住友鉱
DOWA
古河電
住友電
フジクラ

大阪チタニウム

JX金属

【商社】
双日
伊藤忠
丸紅
豊田通商
三井物
住友商
三菱商

岩谷産業

サンリオ

神戸物産

【建設】
コムシスHD
大成建
大林組
清水建
長谷工
鹿島建設
大和ハウス工業
積水ハウス
日揮HD

ウエストHD

住友林業

ライト工業

五洋建設

【機械】
日製鋼
オークマ
アマダ
SMC
コマツ
住友重
日立建機
クボタ
荏原
ダイキン
日精工
NTN
ジェイテクト
カナデビア
三菱重
IHI

三井E&S

DMG森精機

東洋エンジニアリング

三井海洋開発

【造船】
川崎重工業

名村造船所

【その他製造】
バンナムHD
TOPPAN
大日本印刷
ヤマハ

アシックス

テクセンドフォトマスク

【不動産】
東急不HD
三井不動産
三菱地所
東京建物
住友不動産

【鉄道・バス】
東武鉄道
東急
小田急電鉄
京王電鉄
京成電鉄
JR東日本
JR西日本
JR東海

【陸運】
ヤマトHD
NIPPON EXPRESS

【海運】
日本郵船
商船三井
川崎汽船

【空運】
JAL
ANAHD

【倉庫】

【電力】
東電HD
中部電
関西電

【ガス】
東ガス
大ガス

 

・日経半導体株指数(年間騰落率 46.19%)

【化学】

日産化
トクヤマ
信越化
東応化
住友ベ
日化薬
ADEKA
太陽HD
デクセリ

【非鉄・金属】
SUMCO

JX金属
【機械】
TOWA
ローツェ
【電気機器】

コクサイエレクトリック
ソシオネクス
ルネサス
アルバック
ソニーG
アドテスト
フェローテク
レーザーテック
ローム
スクリン
東京エレクトロン

キオクシアホールディングス
【精密機器】
ディスコ
東京精密
HOYA
【商社】
マクニカHD
加賀電子

 

・日経平均高配当株50指数(年間騰落率 23.11%)

【鉱業】
INPEX
【建設】
大林組
長谷工
積水ハウス
【食品】
JT

【パルプ・紙】

王子HD
【化学】
東ソー
デンカ
三井化学
三菱ケミG
UBE
【医薬品】
武田薬品工業
アステラス製薬
【石油】
出光興産
【ゴム】
ブリヂストン
【窯業】
AGC
日電硝
【鉄鋼】
日本製鉄
神戸鋼
JFE
【非鉄・金属】
三井金属鉱業

住友金属鉱山
【機械】
アマダ
日立建機
日本精工

NTN

ジェイテクト

【電気機器】
セイコーエプソン
アルプスアルパイン
カシオ
キヤノン
【自動車】
いすゞ

マツダ
ホンダ

ヤマハ発
【精密機器】
【商社】
双日
住友商
三菱商
【小売業】
丸井G
【銀行】
三井住友トラ
三井住友FG
みずほFG
【証券】
大和証券

野村證券
【保険】
MS&AD
【陸運】
NIPPON EXPRESS
【海運】
日本郵船
川崎汽船
【通信】
ソフトバンク
【サービス】

 日経半導体株指数(年間騰落率+46.19%)のパフォーマンスが、引き続き大変良好です。日経平均(年間騰落率+26.18%)も、先月ほどではありませんが引き続き調子いいようです。日経平均高配当株50指数(年間騰落率+23.11%)が、予想外に調子いいようです。TOPIXをアウトパフォームしていますし、配当込みだと、日経平均に迫る騰落率かもしれません。これまでの日経平均高配当株50指数の動きは、上昇相場の時に物足りなくても2024年7月のように軟調な展開の時に粘ってくれるのかと思いきやこの時は日経平均 5.03%、日経平均高配当株50指数-1.12%でした。ここのところ日経平均高配当株50指数は値動きが変化してきているかもしれないので、構成銘柄をよく見ておいたほうが、良いかもしれないと思いました。日経半導体株指数についてはボラティリティが大きいので、代表的な半導体関連銘柄は売買のタイミングが重要だと思います。

 「日経平均」「TOPIX」「半導体株指数」「日経平均高配当株50指数」について、毎月、年間騰落率をチェックすることは、客観的な事実を把握する上で、とても良いアイデアだと思っています。株式投資をやっていて思うのは、データは一見、客観的な事実を示しているようで、実は良く見せることも、悪く見せることも出来てしまうので、継続的にチェックすることが重要だと思います。例えば、株価指数のパフォーマンスにしても、期間の設定によって、よく見せることも、悪く見せることも出来てしまいます。

*僕の日本株ポートフォリオと日経平均及びTOPIXとのパフォーマンスの比較

 大和証券のダイワダイレクトでは保有株のパフォーマンスと株価指標との比較のグラフが示される分析ツールがあります。視覚的には分かりやすいのですが、正確な数値が示されているわけではないので目分量で約何%としています。日経平均とTOPIXのパフォーマンスは過去のデータから正確な数値が分かるのですが、グラフの数値とはズレがあるので、グラフを見ながら約何%という表示にしています。

  • 保有株の3年間のパフォーマンス 約201.0%
  • 日経平均 約192.5% TOPIX 約181.0% 
  • 保有株の1年間のパフォーマンス 約139.0%
  • 日経平均 約127.0%   TOPIX 約121.5% 
  • 保有株の6ヶ月間のパフォーマンス 約131.5%
  • 日経平均 約126.5%    TOPIX 約121.0%
  • 保有株の3ヶ月間のパフォーマンス 約112.8%
  • 日経平均 約110.0% TOPIX 約108.8% 

 パフォーマンスの比較は参考にはなると思いますが、実際には、例えば僕のポートフォリオの3年間のパフォーマンスの場合、同じ銘柄構成で3年間保有し続けているわけではないので、実際の運用成績とは異なります。

 このデータでは、僕のポートフォリオは、全ての期間で日経平均やTOPIXをアウトパフォームしていますが、実際の運用成績では、少なくとも1年間のパフォーマンスは日経平均を下回っています。

 このデータの使い方としては、下記を考えています。

・全ての期間で日経平均やTOPIXをアウトパフォームすることを目標にする。

・アウトパフォームしすぎている場合は、大幅調整に注意する。

 

*2025年12月の振り返り

 僕の日本株ポートフォリオの含み益-含み損はマイナス19,817,791円です。先月末から90万円ほど悪化しましたが、誤差の範囲内だと思います。
 配当を含む利益確定分先月末から税引き後で940,365円(配当101,560円、利益確定838,805円)増えて、40,964,137円(税引き後)になりました。

 今月は、様子見ムードが強かったと思います。先月、先々月と比べて、比較的利益を確定しづらい環境だったと思います。それでも税引き前で考えると約117万円ですので、まずまずの成果が得られたと思います。

 5年7ヶ月の株式投資の中で最悪の含み損はトランプショックの3,130万円ですが、3,130万円の含み損が襲ってきても966万円ほどプラスになるまで利益確定を積み上げることが出来ました。ちなみに2025年4月7日の大暴落の日は、資産損益率-39.92%、保有株損益率-43.97%でしたので、これに当てはめてみると、それぞれ+385万円+413万円になります。保有株損益率、資産損益率、共にプラスの水準になってきました。マイナスに逆戻りすることがないように気を引き締めて株式投資に臨みたいと思います。

 株式投資は利益を上げることと同じくらい損をしないことが重要だと思いますが、損をしないことについては、かなり打たれ強いポートフォリオになってきたと思います。

 長期保有と含み益は株式投資の王道かもしれませんが、「含み益」は確定した利益ではないので安心は出来ないと思いますし、また、「含み損」は確定した損失ではないので諦めるのはまだ早いと考えることもできると思います。「利益確定」については色々な考え方が出来ると思いますが、やはり利益を確定させることは重要なことだと思います。

 今月の含み益上位5銘柄は取得額合計 1,725,667円で損益率はわずか+1.30%です。僕の場合は、含み益という実りは、すかさず収穫しているので、残っている銘柄は、絞りかすのような状態かもしれません。

 含み損への対処方法の考え方のひとつに、コツコツと積み上げた利益の再投資等で運用額を大きくしていくことが上げられると思います。

 単純化して考えた場合、僕のポートフォリオの含み損下位5銘柄は、ポートフォリオ全体に対して悪影響を及ぼしていますが、運用額9,296万円に対して、取得金額1,909万円分の銘柄で617万円の含み損が生じている状況です。パーセントに置き換えてみると、運用額9,296万円に対して、20.5%の銘柄が6.6%の悪影響を及ぼしている状況です。運用額が1億5千万円にまで増えた場合は12.7%の銘柄が4.1%の悪影響を及ぼしている状況になります。現状でも、だいぶん悪影響が緩和されてきたと思います。

 評価損益率下位5銘柄の場合は-74.9%という驚くような数値なのですが、幸い取得額が約240万円という比較的少額なため、運用額9,296万円に対して、2.6%の銘柄が0.7%の悪影響を及ぼしているにとどまっています。

 保有銘柄数は108銘柄です。買付余力は9,211,846円ですが、もう少し増やしたいところです。

 今年1年を振り返ってみると株の取得費の総額1,499,307,263円、株の譲渡収入の総額1,517,021,608円でした。譲渡損益は+1,771万円ほどですが、年間で約30億円もお金を動かしていたようです。2025年12月末時点での投資額は5,200万円、再投資分を含めた運用額でも9,296万円ほどなので、資金を有効活用できたのではないかと思います。

「売買回転率」で言えば16.1回転です。僕はこの指標も重視しようと思います。商売では大変重要な回転率ですが、投資の世界ではあまり語られることがないのは、少し不思議な感じもしますが、長期、積立、分散という投資の王道から外れているからでしょうか。僕自身も、こんな投資手法でいいのだろうかと自問自答することも多かったのですが、ベンチマークとの比較で、運用成績がまずまずのようなので、しばらくはこのスタイルを続けていくつもりです。

*保有株について、評価金額上位5銘柄、評価金額下位5銘柄、含み益上位5銘柄

  • 評価金額上位5銘柄(損益率 -24.56%)
  • ディスコ 4,817,000円 評価損益率 -28.49% 取得額 6,736,300円
  • 東京エレクトロン 3,432,000円 評価損益率  -11.20% 取得額 3,865,000円
  • レーザーテック 2,964,500円 評価損益率 -32.97% 取得額 4,423,100円
  • ダイキン工業 2,008,000円 評価損益率 -29.61% 取得額 2,852,942円
  • アドバンテスト 1,963,500円 評価損益率  -12.74% 取得額 2,250,300円

 

  • 評価金額下位5銘柄(損益率 -73.49%)
  • ソニーFG 33,200円 評価損益率 -81.79% 取得金額 182,400円
  • ネクセラファーマ 82,700円 評価損益率 -72.24% 取得額 297,979円
  • GMOインターネット  93,700円 評価損益率 -71.42% 取得金額 327,900円
  • アステリア 94,800円 評価損益率 -60.74% 取得金額 241,500円
  • ウエストHD 152,800円 評価損益率 -77.34% 取得金額 674,550円

 

  • 含み益上位5銘柄(損益率 +1.30% 取得額合計 1,725,667円 )
  • ファナック +9,100円 評価額 608,400円 評価損益率 +1.51%
  • ゆうちょ銀行 +5,300円 評価額 220,900円 評価損益率 +2.45%
  • 三菱UFJ +3,760円 評価額 249,300円 評価損益率 +1.53%
  • 出光興産 +2,142円 評価額 236,600円 評価損益率 +0.91%
  • 富士通 +2,131円 評価額 432,900円 評価損益率 +0.49%

 

*国債の格付けとCDS

 最近では、投資環境が以前にも増して不透明な状況になってきていると思います。国の信用度についても、いろいろなことが言われていますが、的確な指摘と思えるものもあれば、そうではないと思えるものもあります。そこで、「国債の格付け」「国債のCDS」を定期的にチェックすることにしました。僕は、どちらかと言えば「国債の格付け」よりも「国債のCDS」の方が、信頼性が高いような気がしますが、公表されているCDSは5年が多いようです。より長期的な視点に立って評価することは難しいのでしょうか。国債のCDS(5年)は短期的視点での国債の信頼性を評価しているものと言えるのかもしれません。

 「国債のCDS」は、国の破綻に備えた保険のようなもので、一定の保険料を支払うしくみのようです。保証料が低いほど、国の信用度が高いと判断できるようです。

 「国債の格付け」については、証券会社のレーティングのようなものでしょうか。

 

 今月は先月末と比べて「国債格付け」については、大きな変動はないようです。

 「国債のCDS」は、割と、変動がありました。前回チェック時と比べて、日本は6位から7位に順位を下げました。レートも0.209%から0.246%へ悪化しています。大きな問題ではないものの、若干の懸念が残ると言ったところでしょうか。アメリカは9位から8位に順位を上げてきました。レートは0.301%から0.265%へとかなり改善しています。中国は12位のままですが、レートは0.468%から0.439%へ悪化しています。日本のレートが更に悪化しないか注視が必要だと思います。財政拡張には、海外投資家が納得するだけのしっかりとしたストーリーが是非必要だと思います。

*国債格付け

1位の主な国は、ドイツ、オランダ、スイス、シンガポール等

アメリカは12位、韓国16位、イギリス18位、フランス22位、日本25位、中国26位、スペイン27位、イタリア37位、メキシコ39位、インド42位、ブラジル44位

 

*国債CDS(5年)

・1位 ドイツ 0.075% ・2位 スイス 0.080% ・3位 オーストラリア 0.121% ・4位 英国 0.176% ・5位 スペイン 0.191% ・6位 韓国 0.221% ・7位 日本 0.246% ・8位 アメリカ 0.265% ・12位 中国 0.439% 15位 インド 0.877%

「現在値」の単位は「bps」です。1bps=0.01%です。

 

*2025年12月末の指数、為替、金利、の動向についてジェミニによる分析

 マーケットの変化をいち早く察知する試みの一つとして、色々な指数、為替、金利を、毎日チェックしています。11月末と12月末の比較では次のようになっています。

  • 日経平均 50,339円(先月末から86円(0.17%)の上昇)
  • TOPIX 3,408ポイント(先月末から30ポイント(0.89%)の上昇)
  • NYダウ 48,367ドル(先月末から651ドル(1.36%)の上昇)
  • ナスダック 23,419ポイント(先月末から54ポイント(0.23%)の上昇)
  • S&P500 6,896ポイント(先月末から47ポイント(0.69%)の上昇)
  • ブラジルボベスパ 161,125ポイント(先月末から2,053ポイント(1.29%)の上昇)
  • 香港ハンセン 25,854ポイント(先月末から4ポイント(0.02%)の下落)
  • 中国企業指数 8,991ポイント(先月末から139ポイント(1.52%)の下落)
  • インドSENSEX 84,675ポイント(先月末から1,031ポイント(1.20%)の下落)
  • ユーロストックス50  5,796ポイント(先月末から134ポイント(2.37%)の上昇)
  • WTI原油先物 57.95ドル(先月末から0.60ドル(1.02%)の下落)
  • NYMEX金先物 4,386ドル(先月末から132ドル(3.10%)の上昇)
  • 米ドル 156.46円(先月末から0.39円の円安)
  • ユーロ/米ドル 1.1744ドル(先月末から0.0142ドルのドル安)
  • ブラジルレアル 28.55円(先月末から0.70円の円高)
  • 人民元 22.35円(先月末から0.30円の円安)
  • インドルピー 1.7426円(先月末から0.0047円の円高)
  • ユーロ 183.81円(先月末から2.79円の円安)
  • 日本国債10年 2.060%(先月末から0.255%の上昇)
  • 日本国債30年 3.404%(先月末から0.069%の上昇)
  • 米国国債10年 4.123%(先月末から0.109%の上昇)
  • LME銅3ヶ月先物 12,558ドル(先月末から1,369ドル(12.24%)の上昇)
  • SOX指数 7,169ポイント(先月末から144ポイント(2.05%)の上昇)
  • バルチック海運指数 1,877ポイント(先月末から683ポイント(26.68%)の下落)

 先月から、上記のデータをジェミニのディープリサーチに分析してもらっています。

 先月の分析ですが、独自の視点で割と的確に分析出来ていたと思います。

 生成AIは、なんでもこなす優秀なツールかもしれませんが、やはり使いこなしは必要だと思います。僕はジェミニ派なので、ジェミニをしっかり使いこなせるようになりたいです。データの分析はジェミニのディープリサーチに依頼していますが、依頼文を工夫することにより、より適切な分析結果が得られるのではないのだろうかという気がしています。上記のデータについて、ディープリサーチは専門サイトを100くらいリサーチして、レポートには40くらいの専門サイトのソースが使われています。結果が出るまでに10~15分くらいかかったと思います。調査中は静かな迫力を感じました。優秀な専門家とジェミニの結果のどちらが優れているのかは分かりませんが、少なくとも優秀な専門家でも何日もかかるような作業量だと思います。

 ジェミニの見解については、議論をすることにより精度が高まると思いますが、現在の僕には、このレポートに対して色々疑問を投げかけるほどの専門知識がありません。ディープリサーチは凄いなあと眺めている程度です。

ジェミニの分析レポートは下記です。なお、判断は自己責任でお願いします。

2025年11月-12月 グローバル市場・経済動向包括分析報告書:地政学的亀裂と金融政策の非同期性がもたらす「グレート・ダイバージェンス(大いなる乖離)」

1. エグゼクティブ・サマリー:複合危機の顕在化と市場の構造的変容2025年11月末から12月末にかけての1ヶ月間は、世界経済史において、地政学的秩序の再編とマクロ経済サイクルの転換点が劇的に交差した期間として記録されるであろう。この期間、グローバル市場は単なるボラティリティの上昇にとどまらず、従来の相関関係が崩壊し、新たな市場規律が形成される「構造的変容」のプロセスを露わにした。本報告書は、提供された膨大な市場データに基づき、米国における保護主義的通商政策の先鋭化、日本における「サナエノミクス」という新たな政策実験、中国・インドをはじめとする新興国市場の選別、そしてコモディティ市場と物流指標の極端なデカップリングについて、徹底的な分析を行うものである。

1.1 主要なトレンドと市場の二極化

この1ヶ月間を象徴するのは「乖離(Divergence)」である。
第一に、米国資産とグローバル資産の乖離である。米国株(S&P500)は、AIセクターの調整をこなしつつ史上最高値圏を維持したが、新興国市場や欧州市場は、米国の関税リスクとドル高圧力に晒され、軟調な展開を余儀なくされた。
第二に、実体経済と資産価格の乖離である。世界の貿易活動の先行指標であるバルチック海運指数(BDI)が12月に急落し、物流需要の減退を示唆した一方で、金(ゴールド)や銅などのコモディティ価格は史上最高値を更新し続けた。これは、市場参加者が「成長」への投資から、「価値保全」と「戦略物資確保」への投資へとシフトしていることを明確に示している。

1.2 政策決定のインパクト

政策面では、ドナルド・トランプ米大統領によるグリーンランド購入提案に端を発する対欧州関税の脅しが、大西洋同盟(NATO)の結束を揺るがし、世界経済のブロック化を加速させた5。一方、日本では高市早苗首相による財政拡張(サナエノミクス)と日本銀行(BOJ)による利上げが同時に進行し、円安と金利上昇が共存する複雑な市場環境が出現した。

1.3 2026年に向けた示唆

本報告書の分析は、2026年が「ボラティリティの定着」と「インフレの質的変化」の年になることを示唆している。供給制約(銅・AIインフラ)と地政学的コスト(関税・制裁)がインフレ圧力を高める一方で、需要面では中国のデフレ懸念が残る。投資家には、従来の「株式60:債券40」のモデルを超え、コモディティや実物資産を組み込んだ、より強固なポートフォリオ構築が求められる。

2. 米国経済と通商政策:「トランプ・トレード 2.0」と市場の分断

2025年後半、米国市場は「トランプ・トレード」の新たな局面に突入した。第1フェーズが規制緩和と減税への期待に基づく「リフレ・トレード」であったとすれば、11月から12月にかけての第2フェーズは、保護主義的政策の具体的なコストと、それがもたらすスタグフレーション懸念が意識される展開となった。

2.1 「グリーンランド・ショック」と大西洋同盟の亀裂

12月初旬、市場を最も震撼させたのは、トランプ大統領によるグリーンランド購入の再提案と、それを拒否した同盟国に対する露骨な経済的威圧であった。

2.1.1 地政学的緊張の経済的帰結

トランプ大統領は、デンマークによるグリーンランド売却拒否を受け、デンマークを含むNATO加盟8カ国(デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、フランス、ドイツ、英国、オランダ、フィンランド)に対し、2026年2月1日から10%、6月からは25%の追加関税を課すことを示唆した。この動きは、単なる外交的な駆け引きを超え、実体経済への直接的な脅威として市場にプライシングされた。

市場の即時反応: この発表を受け、米国株式市場は急落した。S&P500は2.06%、NASDAQは2.39%の下落を記録し、特に欧州市場へのエクスポージャーが高い多国籍企業の株価が打撃を受けた。

債券市場の動揺: 米国債市場では、10年債利回りが一時4.29%まで急上昇した。これは、関税導入による輸入物価の上昇(インフレ圧力)と、報復関税による経済成長の鈍化(スタグフレーション懸念)が同時に意識されたためである。

2.1.2 専門家の警鐘とマクロ経済へのインパクト

国際通貨基金(IMF)のチーフエコノミスト、ピエール・オリヴィエ・グランシャ氏は、この米欧間の貿易摩擦のエスカレーションが「スパイラル的な報復合戦」を招き、世界のアウトプットを約0.3%押し下げる可能性があると警告した。特に懸念されたのは、フランス産ワインやドイツ車といった特定品目へのターゲット関税に留まらず、EU全体を巻き込んだ包括的な貿易戦争へと発展するリスクである。これは、すでに中国との貿易摩擦で疲弊しているグローバルサプライチェーンにとって、致命的な打撃となり得る。

2.2 金融政策とインフレの再燃懸念

連邦準備制度理事会(FRB)は12月の会合で0.25%の利下げを実施したが、市場の長期金利は低下するどころか上昇基調を強めた。この現象は、中央銀行のコントロール能力の限界と、財政・通商政策によるインフレ圧力の強さを示している。

2.2.1 「ベア・スティープニング」の進行

短期金利が政策金利の引き下げに連動して低下する一方で、長期金利が上昇する「イールドカーブのスティープ化(傾斜化)」が進行した。

背景要因:

市場は、トランプ政権の財政赤字拡大(減税と歳出増)と関税によるインフレ再燃を織り込み始めた。これにより、長期債に対する「タームプレミアム(期間に伴う上乗せ金利)」が拡大した。

住宅・企業金融への影響:

10年債利回りの上昇は、住宅ローン金利や社債利回りの上昇に直結し、実体経済の引き締め効果をもたらした。これはFRBの利下げ効果を相殺するものであり、金融環境の実質的な引き締まりを意味する。

2.2.2 「セル・アメリカ」トレードの台頭

一部の市場ストラテジストは、「セル・アメリカ(米国売り)」の動きが新たな形で出現していると指摘している。S&P500とドル指数が同時に下落し、米国債利回りが上昇するというトリプル安の局面が観測された(12月中に18回記録)。これは、米国資産への無条件の信頼が揺らぎ、スイスフランや金といった代替的な安全資産へ資金が逃避し始めた兆候である。

2.3 テクノロジーセクターの選別とAIバブル論争

11月から12月にかけて、米国株式市場を牽引してきたAI関連銘柄に明確な「選別」の波が押し寄せた。

2.3.1 CoreWeaveショックとインフラ投資の現実

AIクラウドインフラの雄であるCoreWeave社を巡る一連の騒動は、AIブームの足元にあるリスクを露呈させた。

合併破談と株価急落: 10月末、Core Scientific社との合併が株主投票で否決されたことを受け、CoreWeave株は6.3%下落した。さらに11月には、データセンター開発の遅延により2025年の収益ガイダンスを下方修正し、株価はさらに16.3%急落した。

波及効果: この事象は、NVIDIAをはじめとするAI半導体メーカーにとってもネガティブなシグナルとなった。AIモデルの学習・推論に必要なデータセンターの建設が、電力不足や建設遅延といった物理的なボトルネックに直面していることが明らかになったからである。

訴訟リスク: 12月15日にはウォール・ストリート・ジャーナルが、遅延の原因がCore Scientific社にあったことを報じ、証券詐欺の集団訴訟(クラスアクション)へと発展した。これは、AI関連企業のガバナンスや開示姿勢に対する投資家の警戒感を高める結果となった。

2.3.2 セクターローテーションの加速

テック株の調整が進む一方で、金融、通信サービス、ヘルスケアといったセクターが選好された。

金融セクター: 長短金利差の拡大による利ざや改善期待から、銀行株が買われた。

ヘルスケア: 景気減速懸念に対するディフェンシブ性が見直され、9%の上昇を記録する月もあった。このローテーションは、投資家が「成長(グロース)」一辺倒から、「価値(バリュー)」と「キャッシュフローの確実性」を重視する姿勢へとシフトしたことを示している。

3. 日本経済:「サナエノミクス」の始動と市場のパラドックス

2025年12月の日本経済は、高市早苗首相による「サナエノミクス」と、日本銀行(BOJ)による歴史的な利上げという、二つの巨大な力が衝突する実験場となった。

3.1 「サナエノミクス」の全貌:財政拡張と国家主導型成長

高市首相は、アベノミクスの「三本の矢」を継承しつつ、より積極的な財政出動と経済安全保障を重視した「新・三本の矢」を打ち出した。

3.1.1 積極財政の具体策

高市政権の財政政策(第二の矢)は、市場の予想を超える規模とスピードで展開された。

減税と家計支援: ガソリン暫定税率の廃止(12月31日実施)や、ディーゼル油引取税の暫定税率廃止(4月1日予定)を決定した。また、所得税の最低課税ベースの引き上げや、社会保険料の削減も視野に入れている。

戦略的投資: 経済安全保障担当大臣の経験を活かし、半導体、AI、原子力発電といった戦略分野への巨額の国家投資を約束した。これは、サプライチェーンの自律性を高めるための「セキュリティ重視の経済政策」への転換を意味する。

3.1.2 構造改革の再定義

第三の矢である成長戦略については、従来の規制緩和中心のアプローチから、国家が戦略産業を育成・保護する産業政策へと舵を切った。これは、グローバルな自由競争よりも、国家の生存とセキュリティを優先する「主権と成長のトレードオフ」を内包している。

3.2 日本銀行の政策転換と「円の謎」

12月19日、日本銀行は政策金利を0.75%へと引き上げる決定を下した。これは1995年以来の高水準であり、長きにわたる超金融緩和からの決別を告げるものであった。

3.2.1 利上げの論理と市場の反応

BOJの利上げは、インフレ抑制と円安是正を目的としたものであったが、市場の反応は政策意図とは逆の動きを見せた。

金利引き上げ: 政策金利は0.75%へ引き上げられ、市場では将来的な追加利上げも織り込まれた。2年債利回りは2008年以来の高水準に達した。

円安の進行: 通常、利上げは通貨高要因となるが、円は対ドルで弱含み、158円近辺で推移した。

3.2.2 なぜ円は上がらなかったのか?(Deep Dive Analysis)

この「円のパラドックス」には、構造的な要因が絡んでいる。

実質金利の大幅なマイナス: 名目金利が0.75%に上昇しても、インフレ率(CPI)が2.9%程度で推移しているため、実質金利は約-2.15%という大幅なマイナス圏にある。これは、円を持っているだけで購買力が年間2%以上毀損されることを意味し、投資家にとって円保有のインセンティブが働かない状況を作り出している。

財政プレミアム: サナエノミクスによる財政拡張は、将来的なインフレ期待を高めると同時に、国債の信用力に対するリスクプレミアムを上昇させた。外国人投資家は、日本の財政規律の緩みを懸念し、日本国債(JGB)と円を売り越す動きを見せた。

キャピタルフライトの継続: 日本の家計や企業による海外投資(新NISAを通じたオルカン購入など)は止まることなく、構造的な円売り圧力が継続している。

3.3 資産市場への影響

株式市場: 日経平均株価は、12月に入り53,000円台を割り込むなど軟調に推移した20。円安による輸出企業の業績押し上げ効果よりも、金利上昇によるバリュエーション調整圧力と、トランプ関税による輸出環境の悪化懸念が勝った形である。

債券市場: 10年債利回りは2.1%に達し、債券価格は下落した。高市政権の財政拡大路線が続く限り、長期金利の上昇圧力は収まらないと見られている。

4. 新興国市場:中国の停滞とインドの調整

新興国市場(EM)では、先進国市場とのデカップリングが進む中、特に中国とインドという二大巨頭がそれぞれ異なる課題に直面した。

4.1 中国:期待外れの刺激策とデフレの影

中国経済は、政府による一連の刺激策にもかかわらず、内需の弱さとデフレ圧力から抜け出せずにいる。

4.1.1 政策の不発と消費の低迷

12月に開催された中央経済工作会議や政治局会議に対し、市場は大規模な財政出動(いわゆる「バズーカ」)を期待していたが、結果は「安定化」を優先する慎重な姿勢にとどまった。

小売売上高の失速: 11月の小売売上高は前年同月比1.3%増と、市場予想(2.9%増)を大きく下回った。特に家電製品は前年比-19.4%と急減し、買い替え促進策(トレードイン政策)の効果が一巡した反動が如実に表れた。

EV市場の影響: ガソリン車の販売減(-8.0%)に加え、これまで好調だったEVを含む自動車販売も-8.3%と減少に転じ、消費者の慎重姿勢が耐久財全体に広がっていることを示唆した。

4.1.2 株式市場の反応

こうした失望感から、中国本土株および香港市場(ハンセン指数)は下落した。特にテクノロジー株や不動産関連株が売られ、トランプ政権による追加関税リスクも重石となった。Eoptolink(-5.1%)やGuangzhou Haige(-6.7%)といったテクノロジー銘柄の下落が目立った。

4.2 インド:12月8日の急落と市場の健全化

インド市場は、長らく続いた強気相場が一服し、健全な調整局面を迎えた。

4.2.1 「ブラック・マンデー」の解剖(12月8日)

12月8日、インド株式市場のベンチマークであるSENSEXは800ポイント以上急落し、Nifty 50は26,000ポイントを割り込んだ。この急落を引き起こした要因は多岐にわたる:

FRB会合前の警戒: 米国の金融政策決定を前に、リスクオフの動きが加速した。通貨ルピーの最安値更新: ルピーは対ドルで90.38ルピーまで下落し、輸入インフレ懸念とドル建て投資リターンの悪化を招いた。

FII(外国人機関投資家)の売り: 外国人投資家は7営業日連続で売り越し、特に12月8日直前の金曜日だけで438.9億ルピー(約5億ドル相当)を売り越した。原油価格の上昇: 原油輸入国であるインドにとって、原油価格の上昇(ブレント原油63.83ドル付近)は貿易赤字の拡大要因としてネガティブに作用した。

4.2.2 構造的な強さと回復の兆し

急落後、市場は徐々に落ち着きを取り戻しつつある。国内機関投資家(DII)による押し目買いが観測されたほか、3月末にかけて市場は7%近く回復するとの見通しも出ている。しかし、米印通商交渉の遅れやトランプ政権の関税圧力など、外部環境の不透明感は依然として残っている。

4.3 戦略的な「脱ドル」の動き

特筆すべきは、中国とインドが協調して米国債を売却し、金を積み増している点である。

インドの動き: インドの米国債保有額は2,000億ドルを割り込み、10月末時点で1,900億ドルまで減少した(前年同期比507億ドル減)。対照的に、金保有量は880.18トンへと増加し、外貨準備に占める金の割合は9.3%から13.6%へと急上昇した。

意味合い: これは、単なる資産配分の変更ではなく、地政学的なリスクヘッジ(米国の金融制裁回避)としての「戦略的脱ドル」が加速していることを示唆している。

5. コモディティ市場:スーパーサイクルと供給ショック

2025年末の市場で最も際立ったパフォーマンスを見せたのはコモディティ、特に貴金属とベースメタルである。これは、伝統的な金融資産に対する信認低下と、物理的な資源不足への懸念が同時に進行していることを示している。

5.1 貴金属:「通貨の代替」としての金と銀

金(ゴールド)価格は、12月に入りトロイオンスあたり4,500ドルを突破し、史上最高値を更新し続けた。銀も同様に急騰し、年間パフォーマンスでは金を上回る149.1%のリターンを記録した。

5.1.1 上昇のドライバー

中央銀行の買い: 前述の通り、中国人民銀行やインド準備銀行(RBI)など、グローバルサウスの中央銀行が金を爆買いしている。

ETFへの資金流入: 中国国内の金ETF保有残高は倍増し、237.8トンに達した。これは、国内不動産市場の低迷に失望した中国の投資家が、資産保全のために金へ殺到していることを示している。

地政学ヘッジ: 「グリーンランド・ショック」や中東情勢の緊迫化を受け、安全資産としての需要が爆発した。

5.2 銅:供給崩壊とAI需要の衝突

銅価格は、2025年後半に急騰し、2026年に向けてトン当たり12,000ドルを超えるとの予測が出ている。

5.2.1 供給ショックの連鎖

12月の銅価格上昇の主因は、供給サイドの突発的なアクシデントである。グラスベルグ鉱山(インドネシア): 世界第2位の規模を誇る同鉱山で9月に発生した大規模な土砂崩れにより、フォースマジュール(不可抗力条項)が宣言された。特に地下採掘エリア(Block Cave)の閉鎖は2026年第2四半期まで続くと見られ、供給計画を根本から狂わせた。

Quebrada Blanca鉱山(チリ): 操業上の課題から生産ガイダンスが下方修正された。

5.2.2 在庫の分断と価格メカニズム

興味深い現象として、地域間での在庫の偏在が発生している。米国では関税リスクを回避するための「駆け込み輸入」により在庫が積み上がっているが、LME(ロンドン)の在庫は逼迫している。米国在庫は価格プレミアムのために国内に「ロック」されており、グローバル市場の需給逼迫を緩和できない状態にある。JPモルガンの予測では、2026年には世界的に33万トンの供給不足が発生すると見られている。

5.3 鉄鉱石:新たな供給源の登場

鉄鉱石市場では、ギニアのシマンドゥ(Simandou)鉱山からの初出荷という歴史的なイベントが発生した。

シマンドゥ・プロジェクト: 12月2日にギニアを出港した最初の輸送船「Winning Youth」は、20万トンの鉄鉱石を積み、1月17日に中国・浙江省の港に到着した。

市場への影響: これまでオーストラリアとブラジルに依存していた鉄鉱石供給地図が塗り替わる可能性があり、長期的には中国の資源調達交渉力を高める要因となる。しかし、短期的には中国の鉄鉱石輸入量が12月に月間記録(1億1960万トン)を更新するなど、需要の底堅さも確認された。

6. グローバル物流と海運市況:指数のデカップリング

コモディティ価格の高騰とは対照的に、世界の海運市況は12月に急激な調整局面を迎えた。この動きは、実体経済の「モノの動き」が、金融市場の「カネの動き」と乖離していることを示唆している。

6.1 バルチック海運指数(BDI)の急落と構造要因

バルチック海運指数(BDI)は、12月中旬にかけて2,000ポイント台から1,200ポイント台まで急落し、その後小幅に反発したものの、低水準で推移した。

6.1.1 貿易戦争の「フロントローディング」の反動

2025年前半から中盤にかけて、トランプ関税の発動を見越した「駆け込み需要(フロントローディング)」が海運市況を支えていたが、12月に入りその需要が蒸発した。在庫調整局面に入ったことで、新たな輸送需要が急減したのである。

6.1.2 ルート変更と効率性の低下

米中貿易摩擦の影響で、中国が米国産大豆からブラジル産大豆へと輸入先を切り替えたことは、輸送距離(トンマイル)を延ばし、一時的には船腹需給を引き締める効果があった。しかし、12月にはこの調整も一巡し、ブラジルの収穫シーズン前の端境期に入ったことで、穀物輸送需要が減少した。

6.1.3 船腹過剰の重石

供給面では、コロナ禍以降に発注された新造船の竣工ラッシュが続いており、特にパナマックスやスープラマックスといった中小型船の供給圧力が運賃の上値を抑えている。ケープサイズ(大型船)については、鉄鉱石需要により相対的に底堅かったものの、全体的なセンチメントの悪化には抗えなかった。

6.2 航空貨物市場の底堅さ

一方、航空貨物市場はBDIとは対照的な動きを見せた。TAC Indexに基づくバルチック航空貨物指数(BAI00)は、12月1日までの4週間で6.0%上昇した。

要因: 紅海周辺の治安悪化による海上輸送の遅延リスクを嫌気した荷主が、緊急度の高い貨物を航空便にシフトさせたことや、越境EC(電子商取引)の需要が引き続き堅調であることが背景にある。また、UPSの貨物機事故によるMD-11型機の運航停止が供給を一時的に絞り、運賃上昇に寄与した。

7. 結論と2026年への戦略的展望

2025年11月末から12月末の市場動向を総括すると、世界経済は「効率性」を追求するグローバリズムの時代から、「安全性(セキュリティ)」と「自律性」を優先するブロック経済の時代へと、不可逆的に移行したと言える。

7.1 主要なインサイトの統合

「グレート・ダイバージェンス」の定着: 米国、日本、中国、インドの各経済圏は、それぞれ異なる政策課題と経済サイクルの中にあり、連動性が低下している。投資家は「世界経済」という単一の枠組みではなく、各ブロックごとの微細な分析を迫られる。

インフレの構造化: 関税、サプライチェーンの再構築、戦略物資の囲い込み、そして日本の財政拡張は、すべてインフレ圧力として作用する。デフレ懸念が残るのは中国のみであり、世界的には「コストプッシュ型インフレ」がニューノーマルとなる。

資産の質への逃避: 法定通貨(特に円や新興国通貨)の信認が揺らぐ中で、金、銀、銅といった「実物資産」が、ポートフォリオの安定装置(アンカー)として不可欠な存在となっている。

7.2 投資戦略への示唆

2026年に向けて、投資家は以下の「バーベル戦略」を検討すべきである。

一方の重り(リスク資産): AI実装による生産性向上が期待できる米国の優良テック株(選別が必要)や、サプライチェーン再編の恩恵を受けるインド・東南アジアのインフラ関連株。

もう一方の重り(安全資産・ヘッジ): 法定通貨の価値希薄化に備えるための金(ゴールド)や、脱炭素・AIインフラに不可欠な銅などのコモディティ。また、米ドル以外の通貨分散(スイスフラン等)も有効である。

2025年12月の市場の混乱は、来るべき2026年の激動の序章に過ぎない。地政学的な断層線が経済活動を規定する新たな世界において、柔軟かつ防御的な姿勢がかつてないほど重要になっている。