僕が小学生の頃、印象に残っているテレビ番組にNHKの【バラエティー世界史漫遊】があります。
この番組は1975年(昭和50)に半年間、計20本放送されたそうです。NHKアーカイブスによりますと「ベーブ・ルース、シェークスピア、杉田玄白など、国内外の歴史上の人物をテーマに、そのライフワークや本人にまつわるエピソードなどの史実を忠実に追い、パロディー・コントや音楽で、楽しく演出した本格的なスタジオバラエティー。」と説明されています。
当時、僕はこの番組を割と楽しく見ていました。伝記をテレビ番組にしたような感じだったと思います。視聴率が思わしくないという理由により、途中で打ち切りになってしまって残念に思った記憶があるのですが、実際のところはどうだったのでしょうか。
この番組で流れていた【生きるものの歌】が凄く印象に残っています。歴史上の偉人の生涯が紹介されたあとに、「人はこの世に生まれ、人はこの世を去ってゆく」という内容の【生きるものの歌】が流れてくると少し感動する感じでした。悲しいというよりは、人生の儚さのようなものを子供ながらに感じました。
【生きるものの歌】は、作詞 永 六輔 作曲 中村八大 です。いわゆる黄金コンビで、「遠くへ行きたい」「上を向いて歩こう」「夢で逢いましょう」等たくさんの名曲を生み出しています。【生きるものの歌】については、かなりマイナーな曲だと思いますが、その割に多くの歌手がカバーしています。オリジナルが誰なのかは分かりませんが、作詞者の永六輔、さだまさし、上原徹、中島啓江、デュークエイセス、加山雄三、諸口あきら、等が歌っています。番組で誰が歌っていたのかはっきりしないのですが、僕の中では加山雄三バージョンが一番しっくりきます。人生の儚さを、悲しく歌うというよりは、力強く歌っている感じがいいと思います。