約11年間ほったらかしになっていた株式投資を2020年6月から再開しています。今月で5年6ヶ月になります。投資額 5,200万円、評価損益(含み損) 1,892万円、含み益 30.6万円です。含み損がたいへん多く、含み益が少ないのですが、配当と譲渡益が4,002万円(税引き後)に積み上がっており、全て再投資に回していますので、トータルリターンは+2,110万円です。運用額 は9,202万円、買付余力 は852万円です。これまでで最悪の暴落は2025年4月のトランプショックで保有株損益率-43.97%になりましたが、同じ暴落が襲ってきても331万円ほどプラスを維持できる状況になってきました。
再開前は投資額約173万円に対して評価額約235万円で約62万円の含み益になっていました。2020年6月は日経平均が22,500円前後でしたので再開する時期としてはよかったと思います。
今月から、毎月、1年間の騰落率を、日経平均(配当込み)、TOPIX(配当込み)、ひふみプラス、さわかみ投信と比較することにしました。毎月チェックすることで、たまたま良かったり、悪かったりといった影響を排除でき、ベンチマークとの適切な比較が出来ると思います。
*2024年11月29日~2025年11月28日の1年間の騰落率
- 日経平均(配当込み) 34.10%
- 僕のポートフォリオ 31.09%
- TOPIX(配当込み) 29.20%
- ひふみプラス 22.51%
- さわかみ投信 13.17%
ジェミニのディープリサーチを用いて、修正ディーツ法に基づき、買い付け余力(現金)を加味した総資産(時価)で計算しています。指数の騰落率は税引き前の数値ですので、僕のポートフォリオの騰落率も税引き前に換算しています。日経平均とTOPIXは配当込みの騰落率と比較しています。また、アクティブ投信は100%運用ではなく、ある程度現金化していると思われますので、僕のポートフォリオも買い付け余力込みにしています。これで適切な比較になるようです。
趣味と実益を兼ねて日経平均やTOPIXをアウトパフォームするという目標にだいぶん近づいてきました。TOPIXをアウトパフォームすることはできましたが、日経平均には及びませんでした。僕のポートフォリオは半導体関連の含み損が大きくなると一気にパフォーマンスが悪化すると思われますので、そこが心配です。今月は、日本株または日本株中心の有名な投資信託に対して明確にアウトパフォームすることができました。
ちなみに2020年6月~2025年11月のトータルリターンもジェミニのディープリサーチで計算してみたところ、僕のポートフォリオが1位になりました。ただ、騰落率と投資元本比は異なるようです。騰落率は、例えば100万円を最初に投資して1年後、3年後、5年後にどうなったかという数字であるのに対して、投資元本比の場合は追加投資のタイミングで結果が大きく異なる場合があるそうです。下記の結果は、たまたま僕の追加投資のタイミングでは1位になったという、追い風参考記録のようなものかもしれません。
【ご留意事項】 騰落率やトータルリターン順位の計算には、Geminiのディープリサーチ機能を活用していますが、AIによる計算プロセスにおいて、依頼文の認識やデータの解釈に誤りがある可能性も否定できないため、あくまで「目安」としての数値であることをお断りしておきます。
順位 投資対象 最終評価額(推計)
投資元本比 損益額 評価
1位 僕の運用実績 9,141万円
+47.4% +2,941万円 Excellent
2位 日経平均(配当込)9,080万円
+46.5% +2,880万円 ほぼ同等
3位 TOPIX(配当込) 8,750万円
+41.1% +2,550万円 劣後
4位 さわかみファンド 8,210万円
+32.4% +2,010万円 劣後
5位 ひふみプラス 7,950万円
+28.2% +1,750万円 劣後
*内容は下記になります。
- *運用状況と年換算利回り
- *2025年11月の含み損の状況
- *1年前と比較した利益の増減
- *僕の日本株ポートフォリオと、日経平均、日経半導体株指数、日経平均高配当株50指数との銘柄の比較
- *僕の日本株ポートフォリオと日経平均及びTOPIXとのパフォーマンスの比較
- *2025年11月の振り返り
- *保有株について、評価金額上位5銘柄、評価金額下位5銘柄、含み益上位5銘柄
- *2025年11月末の指数、為替、金利、の動向と考察
- *国債の格付けとCDS
*運用状況と年換算利回り
2025年11月末時点での運用状況は下記になります。証券口座は大和証券のみです。現物日本株104銘柄で、譲渡益と配当はすべて再投資です。
- 92,023,772円(取得金額「投資金額+配当+譲渡益」)
- 73,101,260円(評価額)
- 52,000,000円(投資金額)
- 83,497,272円(保有株取得額)
- 64,574,760円(保有株評価額)
- +40,023,772円(譲渡益+配当)
- +306,204円(含み益)
- -19,228,716円(含み損)
- -18,922,512円(含み益-含み損)
- +21,101,260円(売却益+配当+含み益-含み損)
- 8,526,500円(買付余力)
・ファンダメンタルズ
僕のポートフォリオ
・PER 22.42 ・PBR 2.41 ・予想配当利回り 1.55% ・ROE 17.18%
日経平均
・PER 18.85 ・PBR 1.67 ・予想配当利回り 1.86% ・ROE 9.99%
*日経平均の「PER」「PBR」は「加重平均」と「指数ベース」では、かなり数値が異なります。ちなみに指数ベースのPERは23.51です。
仮に全株売却した場合のリターンは下記になります。売却予定がなくても、全株売却した場合のパフォーマンスを定期的にチェックすることは含み損の管理に有効だと思います。特定口座の算出期間は1月1日~12月31日迄です。損切した際に還付される税金は、約3,391,059円です。今年還付しきれない不足額は約393,443円です。3年間の繰り越しで回収可能なレベルです。全株売却の予定がなくても、3年間の繰り越しで回収可能な税金の水準を意識することは重要だと思います。
- 52,000,000円(投資金額)に対する24,492,319円(仮に全株売却した場合の利益概算)のリターン 約47.85%(税引き後)
株式投資におけるリスク管理は、運用状況について様々な指標でチェックすることが必要だと思いますが、下記の指標が一番重要だと考えています。この数字は会計における純利益のようなもので最も厳しい数字になると思います。
- 52,000,000円(投資金額)に対する23,872,319円(仮に全株売却した場合の2020年6月以降の利益概算)の2020年6月以降の年換算利回り 約8.35%(税引き後)
*ニデックが特別注意銘柄に指定されましたので、同銘柄が無価値になった場合の試算をしてみたところ、年換算利回り 約8.21%(税引き後)になりました。影響は軽微です。
*2025年11月の含み損の状況
- 92,023,772円(取得金額「投資金額+配当+譲渡益」)に対する損益率-20.56%
- 83,497,272円(保有株取得額)に対する損益率-22.66%
- 含み損下位5銘柄(損益率 -35.87% 取得額合計 19,091,242円)
- ディスコ -2,363,300円 評価額 4,373,000円 評価損益率 -35.08%
- レーザーテック -1,615,100円 評価額 2,808,000円 評価損益率 -36.51%
- ニトリHD -1,037,500円 評価額 1,351,000円 評価損益率 -43.43%
- ソフトバンクG -1,007,900円 評価額 1,682,500円 評価損益率 -37.46%
- ダイキン工業 -824,442円 評価額 2,028,500円 評価損益率 -28.89%
- 評価損益率下位5銘柄(損益率 -72.38% 取得額合計 2,675,829円)
- ソニーFG -83.79% 含み損 -152,840円 評価額 29,560円
- GMOインターネット -77.37% 含み損 -253,700円 評価額 74,200円
- ウエストHD -77.33% 含み損 -521,650円 評価額 152,900円
- ネクセラファーマ -70.23% 含み損 -209,279円 評価額 88,700円
- ニデック -66.99% 含み損 -799,200円 評価額 393,800円
仮に全株売却した場合の利益について1年前との比較
- 2024年11月末 約 8,861,649円 還付しきれない税金額 約 1,600,191円
- 2025年11月末 約 24,492,319円 還付しきれない税金額 約 393,443円
- 約 15,630,670円(約176.39%)の増加
- 2024年11月末の含み損 18,583,639円
- 2025年11月末の含み損 18,922,512円
1年前の含み損が約1,858万円、今月末の含み損が約1,892万円です。約34万円の悪化ですが、悪化には歯止めがかかってきたかなと思います。個々の株の含み損額や評価損益率を見ると、どうしようもない状況のようにも思えますが、全体の損益率で見ると、約-21%で思ったほどひどい運用状況ではないと言えるかもしれません。保有株取得額に対する損益率は約-23%です。損益率が-30%を超えるような状況は危険水域だと思いますが、-20%台だと、まだ少し余裕があると思います。天気予報でいえば-30%台は警報級、-20%台は注意報といったところでしょうか。仮に全株売却した場合の年換算利回り約8.35%(税引き後)、については、株式投資として十分な水準になってきたと思います。
仮に全株売却した場合の利益は、去年の同時期と比べて約1,563万円(増加率約176%)増加しています。株式投資は前進したり後退したりの繰り返しだと思いますが、長い目で見て右肩上がりの状況にしていきたいです。
含み損下位5銘柄や評価損益率下位5銘柄を改めて眺めてみると、かなりひどい含み損だと思いますが、最悪期は脱しつつある状況かもしれません。
今、できることは、現状に一喜一憂することなく、コツコツと利益を積み上げていくことだと考えています。2025年11月末時点での投資金額は5,200万円ですが、振り返ってみれば、5年6ヶ月で、譲渡益と配当で、税引き後 約4,002万円(税引前 約5,002万円)の利益を確定することができました。「ちりも積もれば山となる」といったところでしょうか。株式投資といえば、大化け株とかテンバガーといったことが、よく注目されます。もちろん、それはそれでよいと思うのですが、それと同時に地道な商売のような考え方も必要だと思います。
僕は、「含み損」について、いろいろ考えているのですが、いろいろなタイプの「含み損」があると思います。譲渡益と配当を再投資する場合について、「利益確定の少ない含み損」と「利益確定の多い含み損」の二つのタイプの「含み損」があると思います。投資額に対する利益確定率が高くなるほど含み損の悪影響が緩和されると思います。投資額に対する利益確定率が0%の場合、含み損の拡大は損失の拡大、含み損の縮小は損失の縮小です。僕のポートフォリオの場合、現在、投資額に対する利益確定率が76.97%になっていますが、このくらいになると、「含み損の縮小=損失の縮小」というより「含み損の縮小=利益の増加」という感じがします。
例えば、・投資額1000万円、利益確定無し、含み損250万円の場合、長期保有でやっと含み損が解消したとしてプラスマイナスゼロという非常に効率の悪い投資になってしまいます。
次に・投資額1000万円、利益確定500万円再投資、含み損250万円の場合、含み損が解消した時点で50%のリターンが得られる投資になります。
単純化して考えてみましたが、僕の「含み損」は後者なので、パフォーマンスが向上することを信じて、日々、歩んでいきたいと思います。
*1年前と比較した利益の増減
僕のポートフォリオの利益の増減は下記の通りです。
1. 譲渡益+配当+含み益-含み損[税引前換算]
2024年11月末 約+13,077,299円
2025年11月末 約+31,107,203円
増加額 約18,029,904円(約137.87%の増加)
2. 譲渡益+配当[税引後]
2024年11月末 +25,328,751円
2025年11月末 +40,278,454円
増加額 14,949,703円(59.02%の増加)
「1」と「2」の増加額をバランス良く増やしていくことが重要だと考えています。僕の場合は含み損の悪影響が大きくならないように「2」を増やしていくことが特に重要と考えています。
*僕の日本株ポートフォリオと、日経平均、日経半導体株指数、日経平均高配当株50指数との銘柄の比較
日経平均、日経半導体株指数、日経平均高配当株50指数、と僕の日本株ポートフォリオの毎月末の銘柄を比較しています。日経平均をアウトパフォームするための手掛かりのひとつにしたいと考えています。
日経平均については、赤で示した銘柄が僕も所有している銘柄、青で示している銘柄は僕が所有していて、日経平均採用銘柄ではない銘柄です。日経半導体株指数、日経平均高配当株50指数については僕も所有している銘柄について赤で示しました。
・「保有株リスト」は、こちらをクリックするとご覧頂けます。
【医薬品】
協和キリン
武田薬品
アステラス
住友ファーマ
塩野義
中外薬
エーザイ
第一三共
大塚HD
サワイグループ
ネクセラファーマ
【電気機器】
ミネベア
日立
三菱電
富士電機
安川電
ソシオネクス
オムロン
GSユアサ
NEC
富士通
ルネサス
エプソン
パナソニックHD
シャープ
ソニーG
TDK
アルプスアル
横河電
アドテスト
キーエンス
デンソー
レーザーテック
カシオ
ファナック
京セラ
太陽誘電
村田製
スクリン
キヤノン
リコー
東京エレクトロン
コクサイエレ
イビデン
浜松ホトニクス
三井ハイテック
助川電気
キオクシア
ローム
古野電気
【自動車】
日産自
いすゞ
トヨタ
日野自
三菱自
マツダ
ホンダ
スズキ
SUBARU
ヤマハ発
【精密機器】
テルモ
コニカミノルタ
ディスコ
ニコン
オリンパス
HOYA
シチズン
【通信】
NTT
KDDI
ソフトバンク
ソフトバンクグループ
【銀行】
しずおかFG
コンコルディア
あおぞら銀
三菱UFJ
りそなHD
三井住友トラ
三井住友FG
千葉銀
ふくおかFG
みずほFG
ゆうちょ
【その他金融】
クレセゾン
オリックス
日本取引所
【証券】
大和証券
野村ホールディングス
マネックスG
【保険】
SOMPO
MS&AD
第一生命HD
東京海上
T&D
かんぽ生命
ソニーFG
【水産】
ニッスイ
【食品】
日清粉G
明治HD
日ハム
サッポロHD
アサヒグループホールディングス
キリンHD
味の素
JT
山崎製パン
【小売業】
Jフロント
ZOZO
三越伊勢丹
セブン&アイ
良品計画
高島屋
丸井G
イオン
ニトリHD
ファストリ
【サービス】
エムスリー
ディーエヌエー
ネクソン
野村総研
電通グループ
メルカリ
OLC
ラインヤフー
トレントレンドマイクロ
サイバー
楽天グループ
リクルート
日本郵政
任天堂
東宝
セコム
コナミG
ベイカレント
さくらインターネット
ABEJA
カバー
GMOインターネット
アステリア
【鉱業】
INPEX
【繊維】
帝人
東レ
【パルプ・紙】
王子HD
【化学】
クラレ
旭化成
住友化
日産化
東ソー
トクヤマ
デンカ
信越化
三井化学
三菱ケミG
UBE
花王
富士フイルム
資生堂
日東電
積水化学
【石油】
出光興産
ENEOS
【ゴム】
横浜ゴム
ブリヂストン
【窯業】
AGC
日電硝
太平洋セメント
東海カーボン
TOTO
日本碍子
日東紡績
【鉄鋼】
日本製鉄
神戸鋼
JFE
【非鉄・金属】
SUMCO
三井金
三菱マ
住友鉱
DOWA
古河電
住友電
フジクラ
大阪チタニウム
JX金属
SWCC
フルヤ金属
【商社】
双日
伊藤忠
丸紅
豊田通商
三井物
住友商
三菱商
岩谷産業
サンリオ
神戸物産
【建設】
コムシスHD
大成建
大林組
清水建
長谷工
鹿島建設
大和ハウス工業
積水ハウス
日揮HD
ウエストHD
住友林業
ライト工業
五洋建設
関電工
【機械】
日製鋼
オークマ
アマダ
SMC
コマツ
住友重
日立建機
クボタ
荏原
ダイキン
日精工
NTN
ジェイテクト
カナデビア
三菱重
IHI
三井E&S
DMG森精機
東洋エンジニアリング
三井海洋開発
【造船】
川崎重工業
名村造船所
【その他製造】
バンナムHD
TOPPAN
大日本印刷
ヤマハ
アシックス
テクセンドフォトマスク
【不動産】
東急不HD
三井不動産
三菱地所
東京建物
住友不動産
【鉄道・バス】
東武鉄道
東急
小田急電鉄
京王電鉄
京成電鉄
JR東日本
JR西日本
JR東海
【陸運】
ヤマトHD
NIPPON EXPRESS
【海運】
日本郵船
商船三井
川崎汽船
【空運】
JAL
ANAHD
【倉庫】
【電力】
東電HD
中部電
関西電
【ガス】
東ガス
大ガス
・日経半導体株指数(年間騰落率 43.87%)
【化学】
日産化
トクヤマ
信越化
東応化
住友ベ
日化薬
ADEKA
太陽HD
デクセリ
【非鉄・金属】
SUMCO
JX金属
【機械】
TOWA
ローツェ
【電気機器】
コクサイエレ
ソシオネクス
ルネサス
アルバック
ソニーG
アドテスト
フェローテク
レーザーテック
ローム
スクリン
東京エレクトロン
キオクシアホールディングス
【精密機器】
ディスコ
東京精密
HOYA
【商社】
マクニカHD
加賀電子
・日経平均高配当株50指数(年間騰落率 25.18%)
【鉱業】
INPEX
【建設】
大林組
長谷工
積水ハウス
【食品】
JT
【パルプ・紙】
王子HD
【化学】
東ソー
デンカ
三井化学
三菱ケミG
UBE
【医薬品】
武田薬品工業
アステラス製薬
【石油】
出光興産
【ゴム】
ブリヂストン
【窯業】
AGC
日電硝
【鉄鋼】
日本製鉄
神戸鋼
JFE
【非鉄・金属】
三井金属鉱業
住友金属鉱山
【機械】
アマダ
日立建機
日本精工
NTN
ジェイテクト
【電気機器】
セイコーエプソン
アルプスアルパイン
カシオ
キヤノン
【自動車】
いすゞ
マツダ
ホンダ
ヤマハ発
【精密機器】
【商社】
双日
住友商
三菱商
【小売業】
丸井G
【銀行】
三井住友トラ
三井住友FG
みずほFG
【証券】
大和証券
野村證券
【保険】
MS&AD
【陸運】
NIPPON EXPRESS
【海運】
日本郵船
川崎汽船
【通信】
ソフトバンク
【サービス】
日経半導体株指数(年間騰落率+43.87%)のパフォーマンスが、引き続き大変良好です。日経平均(年間騰落率+31.53%)も、かなり調子いいようです。日経平均高配当株50指数(年間騰落率+25.18%)も、急速に改善してきましたが、他の指数と比較すると、物足りない印象です。上昇相場の時に物足りなくても2024年7月のように軟調な展開の時に粘ってくれるのかと思いきやこの時は日経平均 5.03%、日経平均高配当株50指数-1.12%でした。現在のところ、あまり調子がいいとは言えない日経平均高配当株50指数ですが、将来的に状況が変化するかも知れないので、毎月のチェックはかかせないと思っています。この指数の優位性が見られるようになった場合は、この中から保有銘柄を増やすのも一つの方法だと思います。日経半導体株指数についてはボラティリティが大きいので、代表的な半導体関連銘柄は売買のタイミングが重要だと思います。
「日経平均」「TOPIX」「半導体株指数」「日経平均高配当株50指数」について、毎月、年間騰落率をチェックすることは、客観的な事実を把握する上で、とても良いアイデアだと思っています。株式投資をやっていて思うのは、データは一見、客観的な事実を示しているようで、実は良く見せることも、悪く見せることも出来てしまうので、継続的にチェックすることが重要だと思います。例えば、株価指数のパフォーマンスにしても、期間の設定によって、よく見せることも、悪く見せることも出来てしまいます。
*僕の日本株ポートフォリオと日経平均及びTOPIXとのパフォーマンスの比較
大和証券のダイワダイレクトでは保有株のパフォーマンスと株価指標との比較のグラフが示される分析ツールがあります。視覚的には分かりやすいのですが、正確な数値が示されているわけではないので目分量で約何%としています。日経平均とTOPIXのパフォーマンスは過去のデータから正確な数値が分かるのですが、グラフの数値とはズレがあるので、グラフを見ながら約何%という表示にしています。
- 保有株の3年間のパフォーマンス 約190.0%
- 日経平均 約178.0% TOPIX 約169.0%
- 保有株の1年間のパフォーマンス 約143.0%
- 日経平均 約131.0% TOPIX 約124.0%
- 保有株の6ヶ月間のパフォーマンス 約141.0%
- 日経平均 約133.0% TOPIX 約120.0%
- 保有株の3ヶ月間のパフォーマンス 約121.5%
- 日経平均 約118.0% TOPIX 約110.0%
パフォーマンスの比較は参考にはなると思いますが、実際には、例えば僕のポートフォリオの3年間のパフォーマンスの場合、同じ銘柄構成で3年間保有し続けているわけではないので、実際の運用成績とは異なります。
このデータでは、僕のポートフォリオは、全ての期間で日経平均やTOPIXをアウトパフォームしていますが、実際の運用成績では、少なくとも1年間のパフォーマンスは日経平均を下回っています。
このデータの使い方としては、下記を考えています。
・全ての期間で日経平均やTOPIXをアウトパフォームすることを目標にする。
・アウトパフォームしすぎている場合は、大幅調整に注意する。
*2025年11月の振り返り
僕の日本株ポートフォリオの含み益-含み損はマイナス18,922,512円です。先月末から438万円も悪化しましたが、これは、もうしょうがないと思います。先月の記事で、「大幅な改善には揺り戻しに注意が必要だと思います。」とコメントしていましたが、その通りになりました。
配当を含む利益確定分は先月末から税引き後で1,841,278円(配当193,877円、利益確定1,647,401円)増えて、40,023,772円(税引き後)になりました。
今月は、指数間の乖離が鮮明となった、二極化相場だったと言えるかもしれません。その中で、順調に利益を確定出来たと思います。先月、今月と、大きく利益を確定することが出来ましたが、やがて襲ってくるかもしれない含み損の大波に備えて、今のうちに、しっかりと利益確定を積み上げていきたいです。
5年6ヶ月の株式投資の中で最悪の含み損はトランプショックの3,130万円ですが、3,130万円の含み損が襲ってきても872万円ほどプラスになるまで利益確定を積み上げることが出来ました。ちなみに2025年4月7日の大暴落の日は、資産損益率-39.92%、保有株損益率-43.97%でしたので、これに当てはめてみると、それぞれ+328万円、+331万円になります。保有株損益率、資産損益率、共にプラスの水準になってきました。マイナスに逆戻りすることがないように気を引き締めて株式投資に臨みたいと思います。
株式投資は利益を上げることと同じくらい損をしないことが重要だと思いますが、損をしないことについては、かなり打たれ強いポートフォリオになってきたと思います。
長期保有と含み益は株式投資の王道かもしれませんが、「含み益」は確定した利益ではないので安心は出来ないと思いますし、また、「含み損」は確定した損失ではないので諦めるのはまだ早いと考えることもできると思います。「利益確定」については色々な考え方が出来ると思いますが、やはり利益を確定させることは重要なことだと思います。
含み損への対処方法の考え方のひとつに、コツコツと積み上げた利益の再投資等で運用額を大きくしていくことが上げられると思います。単純化して考えた場合、僕のポートフォリオの含み損下位5銘柄は、ポートフォリオ全体に対して悪影響を及ぼしていますが、運用額9,202万円に対して、取得金額1,909万円分の銘柄で685万円の含み損が生じている状況です。パーセントに置き換えてみると、運用額9,202万円に対して、20.8%の銘柄が7.5%の悪影響を及ぼしている状況です。運用額が1億5千万円にまで増えた場合は12.8%の銘柄が4.6%の悪影響を及ぼしている状況になり、悪影響がかなり軽減されることになります。遠い目標に向かって頑張りたいと思います。具体的な数字を文章にして眺めてみると、現状でも、含み損の悪影響が緩和されてきているようです。コツコツ運用額を増やしていき、ジワジワと含み損の悪影響を緩和させていきたいと思います。
保有銘柄数は104銘柄です。買付余力は8,526,500円ですが、もう少し増やしたいところです。
一流のアスリートはコンマ何秒のタイムを縮めるために、日々、厳しいトレーニングに励んでいるそうです。株式投資は、ちょっとした判断がその後の投資環境に大きく影響することがあるので、良好なパフォーマンスを維持するためには、常に的確な判断が求められると思います。そのためには、日頃の情報収集が大切だと思います。
僕の投資手法は王道と反対のことばかりやっているような気がして、これでいいのだろうかと思うことがあるのですが、バフェット氏の王道中の王道の下記の格言については、是非極めたいと思っています。
「少なくとも1週間に500ページは本や書類を読むこと。これは誰にでもできるが、ポイントは、これをずっと続けることにある」
下記の記事では読書の大切さと結びつけた記事になっていますが、僕は、「日々、たくさんの情報収集に努めることが大切である。」と解釈しています。尚、下記の記事は有料会員でなければ全文を読むことが出来ないかもしれません。
2024年8月の日銀植田ショックあたりから保有銘柄が増えてきていますが、100銘柄くらい保有していると、ある程度効果的にリスク分散が行えるような気がします。こっちが下がれば、あっちが上がるといった具合です。
「株を当て続ける」というのは無理なので、当たる確率を高める工夫が重要になってくると思います。
*保有株について、評価金額上位5銘柄、評価金額下位5銘柄、含み益上位5銘柄
- 評価金額上位5銘柄(損益率 -28.22%)
- ディスコ 4,373,000円 評価損益率 -35.08% 取得額 6,736,300円
- 東京エレクトロン 3,180,000円 評価損益率 -17.72% 取得額 3,865,000円
- レーザーテック 2,808,000円 評価損益率 -36.51% 取得額 4,423,100円
- アドバンテスト 2,057,500円 評価損益率 -8.56% 取得額 2,250,300円
- ダイキン工業 2,028,500円 評価損益率 -28.89% 取得額 2,852,942円
- 評価金額下位5銘柄(損益率 -73.44%)
- ソニーFG 29,560円 評価損益率 -83.79% 取得金額 182,400円
- GMOインターネット 74,200円 評価損益率 -77.37% 取得金額 327,900円
- ネクセラファーマ 88,700円 評価損益率 -70.23% 取得額 297,979円
- アステリア 112,600円 評価損益率 -53.37% 取得金額 241,500円
- ウエストHD 152,900円 評価損益率 -77.33% 取得金額 674,550円
- 含み益上位5銘柄(損益率 +5.30% 取得額合計 2,513,308円 )
- TOPPAN H+35,800円 評価額 468,000円 評価損益率 +7.64%
- 三井E&S +34,400円 評価額 652,300円 評価損益率 +5.27%
- 豊田通商 +24,150円 評価額 481,250円 評価損益率 +5.01%
- 鹿島建設 +20,142円 評価額 561,858円 評価損益率 +3.58%
- 三菱地所 +18,600円 評価額 349,900円 評価損益率 +5.31%
*2025年11月末の指数、為替、金利、の動向と考察
マーケットの変化をいち早く察知する試みの一つとして、色々な指数、為替、金利を、毎日チェックしています。10月末と11月末の比較では次のようになっています。
- 日経平均 50,253円(先月末から2,158円(4.12%)の下落)
- TOPIX 3,378ポイント(先月末から47ポイント(1.41%)の上昇)
- NYダウ 47,716ドル(先月末から154ドル(0.32%)の上昇)
- ナスダック 23,365ポイント(先月末から359ポイント(1.51%)の下落)
- S&P500 6,849ポイント(先月末から9ポイント(0.13%の上昇)
- ブラジルボベスパ 159,072ポイント(先月末から9,532ポイント(6.37%)の上昇)
- 香港ハンセン 25,858ポイント(先月末から48ポイント(0.19%)の下落)
- 中国企業指数 9,130ポイント(先月末から38ポイント(0.41%)の下落)
- インドSENSEX 85,706ポイント(先月末から1,768ポイント(2.11%)の上昇)
- ユーロストックス50 5,662ポイント(先月末と変わらず)
- WTI原油先物 58.55ドル(先月末から2.43ドル(3.98%)の下落)
- NYMEX金先物 4,254ドル(先月末から258ドル(6.46%)の上昇)
- 米ドル 156.07円(先月末から2.03円の円安)
- ユーロ/米ドル 1.1602ドル(先月末から0.0068ドルのドル安)
- ブラジルレアル 29.25円(先月末から0.62円の円安)
- 人民元 22.05円(先月末から0.42円の円安)
- インドルピー 1.7473円(先月末から0.0119円の円安)
- ユーロ 181.02円(先月末から3.34円の円安)
- 日本国債10年 1.805%(先月末から0.150%の上昇)
- 日本国債30年 3.335%(先月末から0.295%の上昇)
- 米国国債10年 4.014%(先月末から0.060%の低下)
- LME銅3ヶ月先物 11,189ドル(先月末から302ドル(2.77%)の上昇)
- SOX指数 7,025ポイント(先月末から203ポイント(2.81%)の下落)
- バルチック海運指数 2,560ポイント(先月末から594ポイント(30.21%)の上昇)
今月は、上記のデータをジェミニのディープリサーチに分析してもらいました。この分析が正しいのか、そうではないのか、僕には判断がつきませんが、下記に全文を載せておきました。独自の視点から説得力のあるレポートに仕上がっている気がしますが、判断は自己責任でお願いします。上記のデータについて、ディープリサーチは専門サイトを100くらいはリサーチしていたと思いますが、レポートには20の専門サイトのソースが使われています。結果が出るまでに10~15分くらいかかったと思います。調査中は静かな迫力を感じました。
ジェミニの見解については、議論をすることにより精度が高まると思いますが、現在の僕には、このレポートに対して色々疑問を投げかけるほどの専門知識がありません。ディープリサーチは凄いなあと眺めている程度です。
話が少しそれますが、パテックフィリップという時計メーカーのジュネーブシールについて、ジェミニと議論したことがあります。ジェミニは1940年代の腕時計にはジュネーブシールの刻印は一般的との見解を示したので、僕はそれは間違いで、一般的には1950年代からではないですかと疑問を投げかけると、ジェミニはすぐに見解を修正してきました。あとは、意外とややこしいポーセリン、陶製、エナメル等の文字盤についてもジェミニと議論したことがあるのですが、その時は、何度も疑問を投げかけましたが、ジェミニは見解を変更しませんでした。結局、その時はジェミニが正しかったです。僕は時計については、ジェミニと議論できますが、下記のようなレポートについても、ジェミニと議論を深めて、精度の高い結論が得られるようになりたいと思います。
2025年11月度 グローバル・マクロ経済および市場動向詳細分析レポート:金融と実物経済の「大いなる分岐」
エグゼクティブ・サマリー:大いなる分岐(The Great Bifurcation)
2025年11月の金融市場は、歴史的な転換点として記録されることになりました。それは、これまで市場を支配していた「金融相関(Financial Correlation)」が崩れ去り、地域間、そして資産クラス間で極めて鮮明な「分岐(Bifurcation)」が発生した月でした。
提示されたデータが示す通り、バルチック海運指数(BDI)は30.21%という驚異的な上昇を見せ、2,560ポイントに達しました。これは、鉄鉱石や石炭といった「実物経済」の物流が、2026年に向けた供給制約を見越して過熱し始めていることを示唆しています。対照的に、先進国の株式市場、特に日本の日経平均株価は4.12%の下落(50,253円)を記録し、調整局面入りしました 。この背景には、高市早苗内閣による巨額財政出動(21兆円規模)が引き金となった「悪い金利上昇(30年国債利回りの3.41%への急騰)」があります。
米国では、史上最長となる43日間の政府機関閉鎖が経済データのブラックアウトを引き起こし、FRB(連邦準備制度理事会)の政策決定を霧の中に包み込みました 。この不確実性は、金(Gold)価格を4,200ドル以上の史上最高値へと押し上げ 5、一方で構造的な供給過剰に直面する原油(WTI)は50ドル台へと沈みました 。
本レポートでは、これら一見矛盾する市場の動きを、1) 日本の財政・金融政策の構造変化、2) 実物資産(コモディティ・物流)のスーパーサイクル、3) 米国政治の停滞とAIインフラ需要の底堅さ、という3つの視点から包括的に分析します。2025年11月は、ペーパーアセット(金融資産)の優位性が揺らぎ、フィジカルアセット(実物資産)の復権が始まった「パラダイムシフトの月」として位置づけられます。
第1章:日本市場の構造変化と「高市ショック」
1.1 日経平均株価の調整:50,253円(-4.12%)の深層
2025年11月末の日経平均株価は50,253円となり、前月末比で2,158円(4.12%)の下落を記録しました 。S&P500(+0.1%)や欧州Stoxx600(+0.9%)が横ばいまたは小幅高で推移したのに対し、日本株の独歩安が際立つ結果となりました 。この下落は単なるテクニカルな調整ではなく、アベノミクス以降続いてきた「金融緩和と財政出動のポリシーミックス」が限界を迎え、新たな「財政主導・金利上昇」のレジームへと移行したことによる市場の拒絶反応と解釈すべきです。
1.1.1 「高市ショック」と債券市場の反乱
下落の主因は、外部環境ではなく国内の政策要因にあります。高市早苗首相率いる内閣は、エネルギー補助金やインフレ対策を含む総額21.3兆円(一部推計では25兆円)規模の財政刺激策を閣議決定しました 。
通常、財政出動は景気刺激策として株式市場に好感されます。しかし、今回の反応は逆でした。市場はこれを「財政規律の喪失」と捉え、国債増発への懸念から債券売り(利回り上昇)で反応しました。
・30年国債利回り(JGB 30Y)の急騰: 月間で35ベーシスポイント(bps)上昇し、一時3.41%という過去数十年で最高水準に達しました。
・バリュエーションの圧縮: 株式理論価格における割引率(リスクフリーレート)の急上昇は、日経平均を構成する高PER(株価収益率)の半導体株やハイテク株の現在価値を直撃しました。
1.1.2 外国人投資家の「エグゾダス(脱出)」
日経平均を5万円台まで押し上げた原動力であった外国人投資家は、11月第3週だけで3,836億円の売り越しに転じました。彼らの売り動機は複合的です。
1.円キャリー取引の巻き戻し: 米国金利が政府閉鎖の影響で低下(10年債利回りは4.02%へ低下)する一方、日本国債利回りが急騰したことで、日米金利差が縮小しました。これにより、円を借りて海外資産に投資する「円キャリー取引」の妙味が薄れ、ポジション解消の動きが加速しました。
2.政策不確実性: 財務省が円安進行に対して「深い懸念」を示し介入を示唆する一方、首相官邸は積極財政を推し進めるという、政府内での政策の不一致(ポリシー・カコフォニー)が嫌気されました。
1.2 日本国債(JGB)市場の危機的状況
11月の日本市場における真の主役は株式ではなく国債でした。30年債利回りの3.41%への到達は、日本の機関投資家(生保・年金)の行動様式を根本から変えるゲームチェンジャーです。
利回りが3.4%を超えたことで、国内機関投資家にとって、為替リスクを取ってまで米国債や外国株に投資するインセンティブが低下しました。結果として、株式市場から債券市場への資金シフト(クラウディング・アウト)が発生しており、これが日経平均の上値を重くする構造的な要因となっています。
第2章:物流スーパーサイクルとバルチック海運指数の急騰
2.1 バルチック海運指数(BDI):2,560ポイント(+30.21%)の衝撃
金融資産が調整色を強める中、物理的なモノの移動を示すバルチック海運指数(BDI)は594ポイント(30.21%)の上昇を記録し、2,560ポイントに達しました。これは2023年12月以来の高値水準であり、世界経済の「実物面」での底堅さを強く示唆しています。
2.1.1 ケープサイズ(Capesize)主導の鉄鉱石需要
この上昇の主役は、鉄鉱石や石炭を運搬する大型船「ケープサイズ」です。同指数は11月末時点で4,481ポイント(前月比大幅高)に達し、単日でも5.8%上昇する局面がありました。中国の不動産市場が低迷しているにもかかわらず(新築住宅価格は前年比2.4%下落 )、なぜ鉄鉱石の輸送需要がこれほど強いのでしょうか。以下の3つの要因が重なった「パーフェクト・ストーム」が起きています。
1.中国の「輸出代替」戦略: 国内不動産向けの内需が消失した中国の製鉄所は、過剰生産能力を輸出に向けています。EV(電気自動車)、造船、産業機械向けの鋼材生産を高水準で維持しており、そのための原材料輸入が止まっていません。
2.ブラジルからの長距離輸送増: ブラジルの資源大手ヴァーレ(Vale)等の生産拡大に伴い、ブラジルから中国への長距離輸送(豪州発に比べて航海日数が約3倍)が増加しました。これにより、船舶が長時間拘束される「トン・マイル効果」が発生し、実質的な船腹供給が逼迫しました。
3.ギニア・シマンドゥ(Simandou)鉱山の開発加速: 世界最大の未開発鉄鉱石鉱床であるシマンドゥ鉱山が2026年の本格稼働に向けた準備段階に入り、関連する資機材輸送や、将来の供給増を見越した戦略的な船腹確保の動きが活発化しています。2.1.2 「パナマックス(Panamax)」との乖離が示す意味
一方で、中型船であるパナマックス指数は0.5%下落し、1,952ポイントとなりました。石炭や穀物を主とするパナマックスの不振と、鉄鉱石を主とするケープサイズの急騰という「乖離」は、世界経済が「エネルギー危機(石炭需要)」から「インフラ・製造業回帰(鉄鉱石需要)」へとシフトしていることを示唆しています。
第3章:米国の停滞とAIインフラの底堅さ
3.1 史上最長の政府閉鎖(43日間)がもたらした「霧」
米国では、政治的分断が極まり、史上最長となる43日間の政府閉鎖が発生しました。これにより、10月および11月前半の主要経済指標(雇用統計、CPI等)の発表が延期・停止され、市場は「計器飛行」を余儀なくされました。
・GDPへの打撃: この閉鎖により、第4四半期の実質GDP成長率は1.5ポイント押し下げられたと試算されています。連邦職員や契約業者への支払い遅延が消費を直撃しました。
・FRBの「盲目的な」ハト派転換: 正確なインフレデータを欠いたFRBは、予防的な金融緩和の姿勢を強めざるを得ませんでした。市場は12月の利下げ確率を80%まで織り込みました。これが米金利(10年債)を4.02%へ押し下げ、ドル安を誘発し、結果としてコモディティ価格(金・銅)を支える要因となりました。
3.2 Nvidia決算が支えた「AIの物理化」
ハイテク株全般が「AI疲れ」を見せる中、月後半に発表されたNvidiaの第3四半期決算は、市場のセンチメントを繋ぎ止める防波堤となりました。
・売上高見通し: 第4四半期予想は650億ドル(市場予想623.8億ドル。
・Blackwell需要: 「Off the charts(計測不能なほどの需要)」と表現され、供給完売状態が続いていることが確認されました。
この決算が示した重要な事実は、「AIブームは終わったのではなく、フェーズが変わった」ということです。期待だけで株価が上がるフェーズから、実際にデータセンターを建設し、チップを導入し、電力を消費する「物理的インフラ構築」のフェーズへと移行しました。これが次章で述べる銅価格の高騰に直結しています。
第4章:コモディティ市場の「三極化」
4.1 金(Gold):通貨不信の象徴(4,225ドル)
金価格は4,225ドル近辺まで上昇し、史上最高値を更新しました。通常、金利上昇局面では金は売られますが、今回は「米国の政府閉鎖(財政機能不全)」と「日本の財政悪化懸念」という、日米双方のソブリン・リスクの高まりを背景に、無国籍通貨としての価値が見直されました。中央銀行による継続的な買い越し(四半期平均585トンペース 15)も、価格を下支えしています。
4.2 銅(Copper):AIデータセンターの血液(11,000ドル超)
銅価格はロンドン金属取引所(LME)でトン当たり11,000ドルを超え、高値圏を維持しました。AIデータセンターは、従来のサーバーファームに比べて数倍の電力密度を要し、冷却システムや配線に大量の銅を使用します。2026年には約33万トンの供給不足が予測されており、Nvidiaの好決算はそのまま「銅への爆発的需要」への確信へと繋がりました。投資家の間では「AIへの投資は、Nvidia株から銅先物へ」という資金ローテーションが起きています。
4.3 原油(Oil):構造的供給過剰(58ドル台)
一方で、WTI原油は58.63ドルまで下落しました。
・非OPECの増産: 米国、ブラジル、ガイアナ等の増産がOPECの減産効果を相殺しています。
・中国の需要減退: 中国におけるEV普及率の急上昇がガソリン需要を構造的に破壊しており、景気刺激策が打たれても原油需要が以前のようには戻らないことが確認されました。海運株(BDI)や金属が上昇する中での原油独歩安は、世界経済のエネルギー効率が向上(脱炭素化)している証左でもあります。
第5章:新興国市場の動向と地政学
5.1 ブラジルの「静かなる独り勝ち」
世界の注目が日米に集まる中、ブラジルのボベスパ指数は1.62%上昇し、米国株とのデカップリング(非連動)を見せました。
・ブラジル・アービトラージ: 通貨レアルが安定(1ドル=5.38レアル)し、鉄鉱石輸出の増加と原油増産が経済を支えています。
・分散投資の受け皿: 米国ハイテク株の集中リスクを避ける機関投資家が、割安で資源国であるブラジルへ資金を配分(アロケーション)する動きが加速しました。5.2 中国不動産の底なし沼
中国の不動産市場は依然として深刻です。11月の新築住宅価格は前年比2.4%下落し、下落幅は拡大傾向にあります。小売売上高も前年比1.3%増にとどまり、消費者の防衛的な姿勢が鮮明です。政府は在庫住宅の買い上げ等の対策を打ち出していますが、市場の信頼回復には至っていません。中国は「不動産不況」を「輸出」で補う構造となっており、これが前述の海運指数上昇と、世界的な貿易摩擦リスクの両因となっています。
第6章:結論と2026年に向けた展望
2025年11月の市場データが語るメッセージは明確です。「金融緩和による全資産一律上昇(Everything Bubble)」の時代は終わり、「政策の質」と「実物需給」が選別を行う時代に入りました。
1.日本株の教訓: 財政規律を軽視した刺激策は、金利急騰という「しっぺ返し」を招き、かえって株価を押し下げる(高市ショック)。2026年にかけて、日銀の政策正常化と国債市場の消化能力が最大のリスク要因となります。
2.実物資産の復権: BDIの30%上昇や銅・金の高騰は、デジタル経済の裏側にある「フィジカルな制約(物流、電力、資源)」が価格決定権を持ち始めたことを示しています。投資戦略としては、ペーパーアセット偏重から、ハードアセット(コモディティ、インフラ関連)への分散が不可欠となるでしょう。
3.米国の不透明感: 政府閉鎖の影響が第4四半期GDPに影を落とす中、FRBの利下げが「景気支援」なのか「後手に回った救済」なのか、市場の解釈が揺れ動く展開が予想されます。
ユーザー様への簡潔な分析サマリー(再掲・補足)
ご提示いただいたデータの背後には、以下のダイナミクスが存在します。
・日経平均(50,253円, -4.12%)の下落要因:単なる調整ではなく、21兆円規模の財政出動が引き起こした国債利回りの急騰(3.41%)が主因です。これにより理論株価が低下し、さらに日米金利差縮小による円キャリー取引の解消が、外国人投資家の売り(3,800億円超)を誘発しました。
・バルチック海運指数(2,560pt, +30.21%)の上昇要因:中国の不動産不況とは裏腹に、輸出向け製造業の活況と、ブラジル・ギニアからの長距離鉄鉱石輸送の増加が船腹需給を逼迫させました。世界経済の「モノの動き」は依然として活発であり、インフレ圧力の再燃を示唆しています。2025年11月は、株式(金融)が下がり、物流(実物)が上がるという、これまでの常識が逆転した月であり、2026年に向けたポートフォリオの再考を迫る重要なシグナルを発しています。
*国債の格付けとCDS
最近では、投資環境が以前にも増して不透明な状況になってきていると思います。国の信用度についても、いろいろなことが言われていますが、的確な指摘と思えるものもあれば、そうではないと思えるものもあります。そこで、「国債の格付け」と「国債のCDS」を定期的にチェックすることにしました。僕は、どちらかと言えば「国債の格付け」よりも「国債のCDS」の方が、信頼性が高いような気がしますが、公表されているCDSは5年が多いようです。より長期的な視点に立って評価することは難しいのでしょうか。国債のCDS(5年)は短期的視点での国債の信頼性を評価しているものと言えるのかもしれません。
「国債のCDS」は、国の破綻に備えた保険のようなもので、一定の保険料を支払うしくみのようです。保証料が低いほど、国の信用度が高いと判断できるようです。
「国債の格付け」については、証券会社のレーティングのようなものでしょうか。
今月は先月末と比べて「国債格付け」については、大きな変動はないようです。
「国債のCDS」は、若干、変動がありました。前回チェック時と比べて、日本は4位から6位に順位を下げました。レートも0.193%から0.209%へ悪化しています。大きな問題ではないものの、若干の懸念が残ると言ったところでしょうか。スペインが5位と順位を上げてきました。アメリカは9位のままですが、レートは0.360%から0.301%に改善しています。中国は12位のままですが、レートは0.401%から0.468%へ悪化しています。日本や中国のレートが悪化しないか注視が必要だと思います。
*国債格付け
1位の主な国は、ドイツ、オランダ、スイス、シンガポール等
アメリカは12位、韓国16位、イギリス18位、フランス22位、日本25位、中国26位、スペイン27位、イタリア37位、メキシコ39位、インド42位、ブラジル44位
*国債CDS(5年)
・1位 スイス 0.083% ・1位 ドイツ 0.083% ・3位 オーストラリア 0.121% ・4位 英国 0.189% ・5位 スペイン 0.201% ・6位 日本 0.209% ・9位 アメリカ 0.301% ・12位 中国 0.468% 15位 インド 0.877%
「現在値」の単位は「bps」です。1bps=0.01%です。
