株式投資に関連した情報に目を通していると、「ESG」とか「SDGs」という言葉がよく出てきます。少し調べてみたところ「SDGs」は素晴らしいと思いました。ちょっと意外な感じでした。
ちなみに「ESG」とは環境(E)、社会(S)、企業統治(G)、の頭文字だそうです。「ESG」が注目されるようになってきたのは、2006年に国連が提唱した「責任投資原則」が背景にあるようです。
「SDGs」については、少しわかりにくいのですが、2015年9月、ニューヨーク国連本部で採択された「我々の世界を変革する・持続可能な開発のための 2030 アジェンダ」という成果文書の中で「SDGs(持続可能な開発目標)」についての記述があります。17の目標と169のターゲットからなっています。
この成果文書は、読んでみると心を揺り動かされるというか、普遍的で崇高な理念が貫かれています。「誰も置き去りにしてはならない」ということが強調されており、世界中のすべての人々が安心して生活できるようになるための道筋が示されています。 「SDGs」について、理解を深めたい場合、本も色々出ており僕も1冊買いましたが、「国際連合広報センター」のウェブサイトを見るのが一番いいと思います。しかし決して見やすいとは言えません。また「我々の世界を変革する・持続可能な開発のための 2030 アジェンダ」の文書については「仮訳」となっていました。
「SDGs」について、現状では「17の目標」だけ割とよく目にする感じで、「169のターゲット」はあまり目にする機会がなく、更に「我々の世界を変革する・持続可能な開発のための 2030 アジェンダ」の成果文書は、ほとんど目にすることがないと思います。しかしながら「SDGs(持続可能な開発目標)」は「我々の世界を変革する・持続可能な開発のための 2030 アジェンダ」という成果文書の一部ですので、「SDGs」の理解を深めるためには、この成果文書を読むことが是非必要だと思います。仮訳ではありますが、この種の文書にありがちな退屈なものではなく、読み物としても素晴らしいと思います。
この成果文書の日本語確定版の冊子があればいいと思いますが、そういうのはないのでしょうか。
「SDGs」と大企業の経営との関連性については、ビジネスチャンスも色々あるのかもしれませんが、高い倫理観が求められるという部分も大きいと思います。
例えば100年前と現在を比べた場合、多くの国では人々の人権が非常に大切に扱われるようになり、暮らしも便利になったのだと思いますが、「SDGs」は様々な分野において現状より更に高いレベルの社会が常識になることを目指しているのだと思います。レベルの高い社会の実現のためには一流の企業に求められる役割も大きいということでしょうか。
ビジネスチャンスについては、SDGsは儲かるとか、取り入れないとデメリットが大きいとか、そういう感じではないと思います。SDGsに後ろ向きに取り組んでいる企業は、おそらくうまくいかないと思います。例えば、蒸気機関車が発明され鉄道が建設されたことは画期的なことで鉄道会社は儲かったと思いますが、鉄道会社は金儲けのことだけ考えていたわけではなかったと思います。人々の暮らしを便利にするビジネスを手掛けたいという思いがあったのではないでしょうか。画期的な発明により、多くの新しいビジネスが誕生するきっかけになったと思います。
現在、求められているのは地球に負荷をかけない画期的な技術の開発、途上国支援による新たな経済圏の開発、画期的な技術開発により生まれる新しいビジネスの創出等でしょうか。