MINIPOCHI’s diary

僕は50代後半、妻は50代半ば、東京在住です。子供二人、犬一匹(16歳のトイプードル、ポチ)、20年11ヶ月、246,432Km乗り続けてきたR53 BMWミニ JCWは本当に楽しい車でした。現在は2022年式アウディRS3セダン(GYDNWF)です。ドライブ、株式投資、ペット、オーディオ、音楽、時計等、雑記ブログです。

【2022年式アウディRS3セダン(GYDNWF) 長期レポート】 Vol.2 「ドライブセレクトモードとトルクスプリッター」

2023年11月中旬に、走行距離約4,600キロのアウディ認定中古車【2022年式アウディRS3セダン(GYDNWF)】を購入してから約4ヶ月が経過しました。

 日常的にクルマと接していると、いろいろな発見や気が付いたことなどがあるので、定期的に記事にすることにしました。

 世の中には、いろいろなタイプのクルマがあると思います。速さを追求したクルマ、運転の楽しいクルマ、燃費の良いクルマ、悪路走破性に優れたクルマ、仕事に適したクルマ・・・。

 どんなクルマを運転するにしても、そのクルマのことを、よく知れば知るほど真価を発揮させることが出来ると思います。

 RS3セダンについても、取説を熟読したり、長期レポートの記事を書いたりしながら、RS3セダンならではの技術的特徴についての理解を深め、安全で快適なドライブを楽しみたいと考えています。

 アウディRS3セダン(GYDNWF)の主なスペックは下記です。

  • 寸法 4,540 X 1,850 X 1,410mm
  •  重量 1,600Kg
  • 7速Sトロニック(DCT[デュアルクラッチトランスミッション])
  • 馬力 400PS/5,600-7,000
  • トルク 51kgm/2,250-5,600
  • フロントタイヤ 265/30R19 リヤタイヤ 245/35R19

 

 今回は「ドライブセレクトモード」の走行特性について調べてみました。

RS3セダン(GYDNWF)はユニークな最新技術が投入されたクルマだと思いますが、情報が少なく、分からないことが多い印象です。下の動画ではRS3の開発エンジニアが登場しています。この人に色々質問してみたい気分です。

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 アウディジャパンプレスセンターの公式資料として下の記事が見つかりました。

アウディジャパン発表資料

資料1.新型Audi RS 3 Sportback / RS 3 Sedanを発売

www.audi-press.jp

 

ドイツ本国発表資料のアウディジャパンによる日本語訳

資料2.ニュルブルクリンクでラップレコードを記録: Audi RS 3 がコンパクトクラス最速モデルとなる(ドイツ本国発表資料)

www.audi-press.jp

 

資料3.新型Audi RS 3:比類なきスポーツ性能と日常ユースを両立(ドイツ本国発表資料)

www.audi-press.jp

 

資料4.「俊敏性の飛躍的進歩」:RSトルクスプリッター(ドイツ本国発表資料)

https://audi-press.jp/press-releases/2021/b7rqqm000001hpcp-att/053_Audi_RS_3_Interview_Diessner_Stippler_JPN.pdf

 

資料5.ラテラルダイナミクスを強化:新型Audi RS3のトルクスプリッター(ドイツ本国発表資料)

https://audi-press.jp/press-releases/2021/b7rqqm000001hpcp-att/052_Audi_RS_3_TechFocus_Torque_Splitter_JPN.pdf

 

Audi RS3のカタログ

catalogue.audi.co.jp

 

Audi RS3のデータインフォメーション

catalogue.audi.co.jp

 

 ドライブセレクトモードは全部で7種類です。(【Efficiency】【Comfort 】【Auto】【Dynamic】【RS Individual】【RS RERFORMANCE】【RS TORQUE REAR】)

 【RS TORQUE REAR】は、いわゆるドリフトモードのようです。公道使用禁止なのでこのモード以外の6種類について調べてみました。

 現代のクルマは、ドライブセレクトシステムにより、サスペンションの減衰力、アクセルの動作に対するエンジンレスポンス、ステアリングのアシスト量、などを自在に設定させることが出来、ワンタッチでクルマの走行特性を変化させることが出来るようになっています。

 RS3の場合は、これらの項目に加えて、「トルクスプリッター」という新しいシステムについて、特性を変化させることが出来る点が、大きな特長になっていると思います。

「トルクスプリッター」については、資料4「「俊敏性の飛躍的進歩」:RSトルクスプリッター(ドイツ本国発表資料)」や、資料5「ラテラルダイナミクスを強化:新型Audi RS3のトルクスプリッター(ドイツ本国発表資料)」で詳しい記述がありますが、下の動画も分かりやすいと思います。歯車のマークの設定から日本語字幕を表示させることが出来ます。

www.youtube.com

 

 僕の所有している個体は、RSダンピングコントロールサスペンション、RS スポーツエキゾーストシステムが装着されています。

 僕は、週末になると妻やポチ(トイプードル 16歳6ヶ月)と一緒に、日帰りドライブを楽しんでいます。たまには子供たちを乗せることもあります。安全で快適なドライブをスポーティに楽しみたいと考えています。サーキット走行はしません。そのような視点から、各モードに対する僕の印象は次のようになります。

  • 【Efficiency】モード

 取説の説明

「車両を燃料を節約する設定にして、経済的な運転の仕方になるよう運転者を補助します。スタートストップシステムが作動し、走行プログラム"E"が選択されます。」

 確かに「E」が選択されますが、セレクターレバー「S」も選択できますので、いわゆるエコモードとは思えないような俊敏な加速も得られます。「E」「S」は瞬時に切替可能でマニュアルシフトもOKです。このモードを選択するとエアコンが「ECO」モードになっていますが、通常モードに変更できます。スタートストップシステム(アイドリングストップ)もワンタッチで解除できます。

 穏やかな乗り心地が必要な場合は、このモードが最も適していると思います。次に述べますが【Comfort 】モードは、やや特殊なモードのようが気がします。

 「E」で穏やかに走行している限りでは、比較的普通の快適な車という感じでしょうか。道路状況によっては、アクセル操作に対する反応が、やや緩慢に感じられる時がありますが、そのような時は「S」を選択すればよいと思います。

 資料5「ラテラルダイナミクスを強化:新型Audi RS3のトルクスプリッター」によりますと、このモードはエンジンパワーは4輪すべてに伝達されますが、フロントに重点が置かれているそうです。資料1「新型Audi RS 3 Sportback / RS 3 Sedanを発売」によりますと、巡航時は、FFになるようです。

 

  • 【Comfort 】モード

 取説の説明

「車両を乗り心地を重視した設定にします。長距離の高速道路の走行等に適しています。」

  このモードはサスペンションが柔らかすぎて車両の揺れが大きくなるような気がしました。引き締まった乗り心地から、このモードに変更すると、一時的に、そう感じるだけなのかもしれないとも思ったのですが、カーグラフィック 2023年7月号のジャイアントテストの記事でRS3の【Comfort 】モードについて次の記述がありました。

「思い切って減衰力を緩めるモードで、うねりなどに遭遇すると、重いパワートレインを押し込まれたノーズ(車体前半部)が後輪設置点を支点としてゆったりと大きくバウンシングを繰り返す。海原をを行く船のような動きを見せる。クルマの動きを司る時計の速さが途端にゆっくりしたものになる。乗員の身体には優しいが、このモードを普段使いのデフォルトとするにはいささか特殊なセッティングで、使いどころを考える必要がある。いざという時には重宝しそうだ。」

 僕は、現在のところ、このモードを、あまり使いたいとは思いません。

 特に柔らかい乗り心地が必要とされる場合の特殊なモードなのでしょうか。或いは取説の説明にあるように、長距離の高速道路の走行に適しているということなのでしょうか。

 「D」「S」はセレクターレバーで瞬時に切替可能です。マニュアルシフトもOKです。

 資料5「ラテラルダイナミクスを強化:新型Audi RS3のトルクスプリッター」によりますと、このモードはエンジンパワーは4輪すべてに伝達されますが、フロントに重点が置かれているそうです。資料1「新型Audi RS 3 Sportback / RS 3 Sedanを発売」によりますと、巡航時は、FFになるようです。

 

  • 【Auto】モード

 取説の説明

「全体的な印象を快適でありながらダイナミックな走行にします。日常の設定に最適です。」

 ノーマルモードに相当するモードだと思います。特に下道での走行に適しているかもしれないと思いました。

 「D」でもアクセルの繊細な操作によく反応すると思います。道路状況によっては「S」にするとよいのかもしれません。

 「D」「S」はセレクターレバーで瞬時に切替可能です。マニュアルシフトもOKです。

 資料5「ラテラルダイナミクスを強化:新型Audi RS3のトルクスプリッター」によりますと、このモードは、バランスの取れたトルク配分により、(アンダーステアでもオーバーステアでもない)ニュートラルなステアリング特性になるそうです。資料1「新型Audi RS 3 Sportback / RS 3 Sedanを発売」によると、巡航時は、FFになるようです。

 

  • 【Dynamic】モード

 取説の説明

「車両が固めの設定になり、パフォーマンス重視の走行に最適です。走行プログラム"S"が選択されます。RSモデルでは、dynamicモードにより動力配分がわずかにリヤアクスル方向に偏ります。

 僕は、なるべく一つのモードで全てをこなしたいと思っているのですが、ここのところ、このモードが最も適しているような気がしています。

 下道では、主に「D」で走行し、強めのエンジンブレーキが欲しい場合などは「S」を併用しています。高速ではマニュアルシフトをメインに使っています。料金所や合流時は「S」を使う場合もあります。

 取説の説明だと「S」しか選択できないような気がしますが、実際は「D」も選択できます。

 セレクターレバーによる「D」「S」の切替による特性の変化、そしてマニュアルシフトの関係は、次のようになっていると思います。これはどのモードでも概ね同じだと思います。尚、運転しながらの印象なので、あまり正確ではないかもしれません。

 「D」の場合、2000回転くらいでシフトアップしているようです。下道では5速くらい迄でしょうか。【Comfort 】【Auto】では下道でも7速になることがあったような気がします。

 「D」の場合はブリッピングを伴ったシフトダウンは行われません。

 「D」からパドル操作を行なった場合は白い文字で「S4」「S3」のような表示になりマニュアルシフトが可能になります。しばらくすると自動的に「D」に戻ります。表示は白い文字で「D5」「D4」といった表示です。

 「S」の場合は1速から2速はすぐにシフトアップしますが、2速からは、かなり引っ張る印象です。シフトアップは4000回転くらいでしょうか。アクセルを踏み込んだ場合はもっと上まで引っ張っていたような気がします。

 「S」の場合は、3000回転くらいだったと思いますがブリッピングを伴ってシフトダウンします。

 「S」からパドル操作を行なった場合は赤い文字で「M3S」「M4S」のような表示になりマニュアルシフトが可能になります。この場合、マニュアルシフトはそのままですので「S」や「D」に戻すためにはセレクターレバーを操作します。パドルレバーを使う方法もありますが、僕はセレクターレバーの操作のほうが好みです。

 資料5「ラテラルダイナミクスを強化:新型Audi RS3のトルクスプリッター」によりますと、このモードは、駆動トルクを可能なかぎりリヤアクスルに配分し、最大限の敏捷性とダイナミクスが実現すると説明されています。リヤアクスルの配分について取説の説明と異なるのですが、どちらが正しいのでしょうか。出荷国によって特性が異なる、或いは絶えず改良が施されているということかもしれません。

 資料1「新型Audi RS 3 Sportback / RS 3 Sedanを発売」によると、巡航時は、FFになるようですが、このモードでもFFになるのでしょうか。

 【Dynamic】モード【RS Individual】モードの明確な違いが今ひとつよく分かりません。【RS Individual】モードについて全ての項目を最もスポーティに設定した場合と、【Dynamic】モードが同じだとすれば、【Dynamic】モードの意味がなくなるので、おそらく【RS Individual】モード【Dynamic】モードは別の特性を持っているのでしょうか。僕は【RS Individual】モードより【Dynamic】モードのほうが、よりしっくりくるような気がしているのですが、気のせいかもしれません。

 エンジン音については、概ね満足しています。いわゆるASC(アクティブサウンドコントロール)のスピーカーによる補正がどのようになっているのかについては、情報がないのでよく分かりませんが、不自然で気になってしょうがないような音ではないと思います。ラゲッジルームに吸音材を入れる等、多少処理を施しました。

 エンジン音について、資料3「新型Audi RS 3:比類なきスポーツ性能と日常ユースを両立(ドイツ本国発表資料)」によりますと、エキゾーストシステムについては、完全に可変タイプのフラップ制御システムが採用されているようです。オプションのRS スポーツエキゾーストシステムを装着した場合はサウンドがさらに強化されるそうです。【Dynamic】モードおよび【RS RERFORMANCE】モードでは、フラップがより早い段階で開くそうです。

 取説によりますと、【RS RERFORMANCE】モード【Dynamic】モードが選択されている時、特にエンジン始動時に騒音が大幅に大きくなることがあるそうです。しかしながら、RSモードはエンジン始動後にRSボタンを押す必要があり、RSモードのままエンジン始動は出来ないので、エンジン始動時の騒音を抑えたい場合はエンジンを切る時に【Dynamic】モード以外のモードにしておくとよい、ということになると思います。

 【Dynamic】モードと、それ以外のモードでのエンジン始動時の騒音の違いは特に印象に残っていません。どのモードでもエンジン始動時の音は割と大きめだと思います。エンジン始動時はアイドリング回転数が高めで、しばらくすると1000回転以下になって比較的静かになる感じです。「S」にすると少し音が大きくなります。

 走行時の車内のエンジン音については【RS Individual】モード「エンジン音」「PRESENT」に設定した場合と【Dynamic】モードのエンジン音を比べた場合、前者の方が音が大きいというか、若干、演出過剰な音のような気がします。以前は【RS Individual】モード「エンジン音」「QUIET」に設定した音が好みだったのですが、最近は【Dynamic】モードでいいかな、という感じです。

 

  • 【RS Individual】モード

 取説の説明

「お客様の好みに合わせて車両設定を調整できます。」

このモードでは次の6項目についてそれぞれ3段階に調整できます。尚、スタビリゼーションコントロール(ESC)については「ON」「DYNAMIC」の2段階ですが「ESCボタン」の長押しを併用すると3段階です。取説の説明を掲載しますが、今ひとつわかりにくい部分があります。

トルクスプリッター

リヤアクスルへの動力配分をダイナミックから快適に変化させます。

もう少し詳しい説明が欲しいところです。

ドライブシステム 

アクセルペダルの動作に対するエンジンのレスポンスは、より自然に、またはバランスの取れた状態になります。AT車では、より高いまたは低いエンジン回転数でギヤチェンジします。

概ね分かりやすい説明だと思います。

サスペンション

サスペンションは路面に応じてより硬い乗り心地か快適な乗り心地にセットされます。

分かりやすい説明だと思います。

ステアリング

パワーアシスト力のレベルを変更できます。

分かりやすい説明だと思います。

エンジン音

エンジン音は抑制された音からダイナミックな音まで選択された設定に合わせられます。自動設定を使用すると、選択された走行プログラムに応じてエンジン音が異なります。

スピーカーによるエンジン音の補正について詳しい説明が欲しいところです。

スタビリゼーションコントロール(ESC)

ESCは制限されます。

「ON」は必要な時にESCが作動する状態、「DYNAMIC」はESCが制限された状態、のようです。更に「ESCボタン」の長押しで完全にOFF、も可能なので、ESCは3段階に調整できます。

通常運転時にESC作動ランプが点灯することはありません。そのような状況では、どの設定でも同じだと思います。「DYNAMIC」にした方が、ステアリングの反応がよくなるような気がするのですが、気のせいかもしれません。尚、「DYNAMIC」にすると警告表示が数秒間表示されます。何となく気になるので僕は「ON」にしています。

 

  • 【RS RERFORMANCE】モード

最高のコーナリング安定性を求めて設計され、レースコースでの使用に推奨されます。

資料1「新型Audi RS 3 Sportback / RS 3 Sedanを発売」によりますと、このモードはセミスリックタイヤに対応しサーキット走行に適しているそうです。

資料2「ニュルブルクリンクでラップレコードを記録: Audi RS 3 がコンパクトクラス最速モデルとなる(ドイツ本国発表資料)」では、このモードについて、より詳しい記述があります。このモードはアンダーステアおよびオーバーステアを最小限に抑え、狙った走行ラインに沿った、非常にダイナミックでスポーティな走りを実現しているそうです。ピレリP Zero Trofeo R セミスリックタイヤに最適化されているそうです。ニュルブルクリンク北コースで記録を出すための理想的なセットアップになっているそうです。

資料1「新型Audi RS 3 Sportback / RS 3 Sedanを発売」によると、巡航時は、FFになるようですが、このモードの場合は、サーキット走行に適したモードですので、FFにはならないのかもしれません。

このモードでは次の3項目について調整できます。

サスペンション

「COMFORT」「DYNAMIC」の2段階

ステアリング

「COMFORT」「BALANCED」「DYNAMIC」の3段階

スタビリゼーションコントロール(ESC)

「ON」は必要な時にESCが作動する状態、「DYNAMIC」はESCが制限された状態、のようです。更に「ESCボタン」の長押しで完全にOFF、も可能なので、ESCは3段階に調整できます。

 このモードは下道での走行には適していないと思います。一番、面白そうなモードのような気がして、僕は一時期このモードを使っていました。最近は【Dynamic】モードを使っています。

【RS RERFORMANCE】モードを使用する場合は、高速道路が中心になると思いますが、このモードで6速で流している時の、こもり音が非常に気になりました。ラゲッジルームに吸音材を入れる等、多少処理を施したところ、あまり気にならなくなりました。これについては、そのうち記事にしてみようと思います。

このモードは「S」マニュアルシフトの二種類で「D」はありません。

「S」は高速道路では使いやすいのですが、下道では非常に使いづらいと思います。詳しく試してはいませんが、1速でどこまでも引っ張る感じなので、下道では1速メインで走行することになってしまうかもしれません。やっとシフトアップしたと思っても、ちょっと回転数が落ちると豪快なブリッピングを伴ってシフトダウンします。このモードで下道を走行する場合はマニュアルシフトを積極的に使う必要があると思います。どの走行モードでも同じですが、マニュアルシフトは例えば4速で走行していてスピードが落ちてくるとシフトダウンをしなくても、いつの間にか低いギアが選択されています。

 高速道路の走行時、マニュアルで低めのギヤ、例えば3速で走行していて「S」に切替えた場合、3速が維持されていることが多いです。このモード以外で同じような状況で「S」に切替えた場合は4速とか5速になる場合が多いです。

2024年1月 伊豆にて