6月21日(金)は、ソフトバンクグループの、第44回 定時株主総会へ行ってきました。
僕は、同社株を100株保有しています。現在27,000円ほど含み損の状態ですが、同社株は上がったり下がったりしているので多少は利益を確定できている状況です。将来性のある会社だと思うので、長期的に保有しておきたい銘柄のひとつです。
会場は「東京ガーデンシアター」です。午前9時受付開始で、午前10時開催です。
会場までは電車で行ったのですが、途中「ゆりかもめ」に乗りました。「ゆりかもめ」は、通常は無人自動運転ですので、運転士はいません。基本的には、運転席に相当する部分は乗客のスペースです。たまたま最前列辺りのスペースが空いていたので、そこに立ちました。とても眺めがよかったです。休日等は、小さな子供たちが目を輝かせて景色を眺めたりしていることが多いスペースだと思います。通勤時間帯の適度に混んでいる車内で、最前列の眺めを心置きなく楽しめたことは、少しだけ貴重な体験だったかもしれません。
会場には、受付開始の10分ほど前、午前8時50分頃に到着しました。既に、かなりの行列が出来ていました。こんな株主総会は初めてです。それだけ孫正義氏に注目している人が多いということでしょうか。
午前9時に受付が開始されました。僕は一番前の列の、まあまあ良い席を確保することができました。
午前10時から、総会が始まりました。議長の孫正義氏が、いろいろと語り始めました。ソフトバンクグループの総会は日経電子版でも記事になっていました。尚、有料会員でなければ全文を読むことが出来ないかもしれません。
時事通信社のYouTubeで、総会のロングバージョンの動画がありました。
これまで僕が見てきた株主総会とは、少し雰囲気の異なる株主総会でした。
あまり細かい話はなく、孫氏が自らの夢を語っているような総会でした。
ちなみに、この日の同社株は3.14%の下落です。孫氏がASIについて熱く語る中で、株価の変動や、自社株買いは、規模の小さな話だと発言したあたりから株価が下落し始めたとの情報がありました。確かにASIの壮大な構想に比べれば、小さなことなのかもしれません。
日本有数の資産家である孫氏が、どのような考え方を持った人物なのかということが、直接、話を聴いてみて少しだけ分かったような気がしました。
先見の明があり、スケールの大きな考え方を持った方だと思いました。普通の人とは、ちょっと違う感じがしましたが、素晴らしい結果が伴っているところが凄いと思いました。
壇上の孫氏を見ていると、そこには究極の投資家の姿があると思いました。
総会の主な内容は、ASIを実現することによって人類を進化させることがソフトバンクグループの使命であることについての説明でした。ASIとは、天才の10,000倍くらい賢いAIのことだそうです。正直、何を言っているのだろうと思ったりもしたのですが、孫氏の説明を聴いていると実現しそうな気がしてきました。
また、取締役の席にはArm社CEOのレネ・ハース氏がいました。レネ・ハース氏も少し発言していました。
豪華な株主総会だと思いました。
たいへん内容の濃い約2時間でしたが、同社の経営理念の「情報革命で人々を幸せに」については、なぜか、あまり心に響かなかったです。孫氏の説明を聴いているうちに、理解できた気がしました。でも、やっぱり、あまり心に響かないです。
天才の10,000倍くらい賢い知恵があれば、優れた薬で癌などの病気をなくすことが出来るかもしれない、自動運転の発達により交通事故をなくすことが出来るかもしれない、人類より遥かに賢い知恵があれば戦争も回避できるかもしれない、など「情報革命」の進化によって「人々の悲しみをなくすこと」が次々に実現していくのかもしれません。
「人々の悲しみをなくすこと」は「人々の幸せ」に貢献することになると思います。株主総会招集の冊子によると、人々にとっての幸せとは何か。それは「感動すること」と同義だそうです。
孫氏の説明を聴いていると「情報革命」は、「病気や災害などの人々の苦しみ」「日常生活の不便さ」「仕事の非効率」等、「問題の解決」に最も馴染むものだと思いました。しかしながら、「人々の苦しみ」「日常生活の不便さ」「仕事の非効率」等の「問題の解決」と「感動すること」はしっくり繋がらない気がしました。
「情報革命」が、直接「人々を幸せにすること」、すなわち「感動すること」の例については、総会では孫氏から特に説明はありませんでしたが、エンターテインメントや芸術の分野への応用などが考えられるのかもしれません。
また、せっかく、天才の10,000倍も賢いASIが実現するのであれば、人類だけではなく、生き物、自然、そして地球全体が、生き生きとした存在であり続けるために活用すればよいのではと思いました。
ASIが人類の脅威にはならないもの、そしてASIを最大限に活用する経営理念としては「情報革命で地球の未来に貢献します。」とかのほうがしっくりくるような気がしました。
僕は企業の経営理念について、詳しくはありませんが、たまたま見た「Google の使命は、世界中の情報を整理し、世界中の人がアクセスできて使えるようにすることです。」 と、資生堂の第124回 定時株主総会に行った時の雰囲気が印象に残っています。資生堂の企業使命は「美の力でよりよい世界を。」です。
心に、すっと入ってくるものと、入ってこないもの、これを説明するのは、難しい場合もありますが、「心の声」も投資の判断基準のひとつとして考慮したいと考えています。そして「心の声」に磨きをかけていきたいと思います。